2階
総合展示室
いわての夜明け[考古分野]
展示品のご案内
盛岡市手代森遺跡出土土偶
遮光器土偶(しゃこうきどぐう)
盛岡市・手代森
(てしろもり)
遺跡
展示されているこの土偶は、旧都南村(現在の盛岡市)の手代森遺跡から発見された遮光器土偶です。いま見ると、黒っぽく見えるのですが、当時は朱(しゅ) が塗られていたようです。また、今はきちんと元の姿をしているこの土偶も発見された当時は、ほかの土偶と同じようにバラバラになっていました。それを、きれいに復元したものです。不思議な顔や、手や足、からだ全体にあるもようなどを見て、縄文時代(じょうもんじだい)の人たちがどんな思いを込めて作ったのか知りたいと思いませんか?
衣川村・東裏 遺跡
女性をかたどった土偶は、縄文時代をとおして作られ続(つづ)けた人形で、地域により、時代により、たくさんの種類があります。しかし、これらの土偶にはすべてに共通の特徴が2つあります。
1つめは、ほとんどの土偶が首や手足、胴がバラバラの形で発見されることです。よく観察してみると、はじめからこわれやすいように、作られているようです。
2つめは、すべての土偶が女性をあらわしていることです。土偶に豊かな実りや、再生産の祈(いの)りを込めながら祭りを行っていたのかもしれません。
岩手町・豊岡遺跡
(高橋昭治氏寄贈)
遮光器土偶はいまから3000年ほど前(縄文時代晩期)から作られ始めました。
この土偶は、目が大きく、エスキモーが雪の光の反射を防ぐためにかけている遮光器(ゴーグル)に似ています。名前の由来もここにあります。また、あまりにも変わった目をしているので、本気で宇宙人の姿だと考えたこともあったほどです。
はたして、目が大きいことに何か意味がかくされているのでしょうか?
誇張(こちょう)されているのは、目ばかりではありませんね。頭も腕も足もみんな面白い形をしています。しかしこのような表現に、どんな意味があるのか実はよくわからないのです。
はっきり言えることは、遮光器土偶は 念入りに作られていたり、大きいものが多いということです。ほかの土偶よりも高い価値が与えられていたのかもしれませんね。