近年、C型慢性肝疾患の治療が画期的に進歩し、今までのインターフェロン注射を使用しないインターフェロンフリー治療(IFN-F)が開始されました。その方法も4種類開発され、患者さんの状態に合わせて治療ができる、いわゆるオーダーメードな治療となりました。
そのため紫波地域診療センターでは今年に入ってから、C型慢性肝疾患の患者さんの姿がめっきり消えてしまいました。これまでは週2-3回ネオファーゲンの注射をするために十数人は外来を賑わしておりましたが、昨年より開始しているIFN-F治療の成果で 注射する必要が無くなった為です。
紫波地域は昔からC型慢性肝疾患の患者さんが多いことで知られおり、今までの治療であったインターフェロン治療を行っても治癒しない人達や副作用で治療できなかった人達が残って、ネオファーゲンの治療を継続しながら皆さんが高齢となっておりました。IFN-F治療は今までのインターフェロン治療と比較すると副作用が今格段に少なく、治療を完遂することができ、治療中もウイルスが消失すると体調が良くなったとお話しする方が多いようです。
それでは当センターでの治療成績を紹介します。
治療を行った患者さんは男性21例、女性27例の48名です。
年齢層は50代5例(10.4%)60代17例(35.4%)70代20例(41.7%)80代6例(12.5%)と高齢者が多いのですが、途中中止例は4例(8.3%)で、HCVウイルス消失例は46例(95.8%)、再燃2例(4.2%)でした。
この様に慢性C型肝炎はIFN-F治療法で治癒する疾患となり、日本中で慢性C型肝炎撲滅作戦を展開しており、将来的に肝癌発生も減少すると言われております。
小野 満 記
■治療を行った患者さんの年齢層
男性-21名 女性-27名 合計-48名
50代-5例 60代-17例 70代-20例 80代-6例
■C型肝炎ウイルス消失例
●消 失 46例 95.8%
●再 燃 2例 4.2%