岩手県立博物館で行っている被災文化財等救援事業の概要
平成23年3月11日14時46分、わが国観測史上最大の東北地方太平洋沖地震とそれにともなう大津波によって、東北地方から関東地方にわたる太平洋沿岸一帯に東日本大震災が発生しました。津波常襲地帯として知られてきた岩手県太平洋沿岸では甚大な津波災害を被り、この地域に伝わる貴重な多くの文化遺産および自然遺産、そして数多くの博物館および関連施設が深刻な被害を受けました。
このような状況をふまえ、岩手県立博物館では岩手県教育委員会主導のもとに、平成23年4月2日および3日に陸前高田市立図書館所蔵の古文書から救出作業を開始しました。5月2日からは文化庁の東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会の支援を得て、陸前高田地域を中心に岩手県沿岸部に立地する博物館および関連施設、市町村教育委員会が所管する貴重な学術資料の救援活動を行い、海水損した資料の安定化処理(資料を安定的に長期わたり保管できる状態にすること)を実施してきました。
ここにこれまで当館が行ってきました被災文化財等救援事業の概要を報告し、これまでご支援、ご協力を賜りました皆様に深く感謝申し上げます。東日本大震災の傷跡はあまりにも深く、安定化処理を必要とする資料は膨大な数に上ります。この報告を通し、これまで当館が実施して参りました被災文化財等救援事業にご理解を賜りますと共に、更なる被災資料の救援ならびに恒久的保存に向け、多くの方々の一層のご支援、ご協力を切にお願い申し上げます。
なお、個別詳細の取材につきましては、下記窓口あてにお電話でお申し込み下さい。(平成29年12月28日)
岩手県立博物館で行っている被災文化財等救援事業等の報告
「博物館だより」から関連記事を抜粋し掲載します。
- 2011年6月 No.129 p.2-3 活動レポート「地震・津波と博物館」
- 2011年6月 No.129 p.6 活動レポート「東日本大震災の文化財救済事業」「古文書レスキュー」
- 2011年9月 No.130 p.7 活動レポート「被災した生物標本の救出と復元」
- 2011年12月 No.131 p.7 活動レポート「よみがえる登録有形民俗文化財『陸前高田の漁撈用具』」
- 2012年3月 No.132 p.2-3 いわて自然ノート「鳥羽源蔵が採集した植物標本の再評価」
- 2012年6月 No.133 p.6-7 活動レポート「東日本大震災による被災文化財等救援状況-平成23年度の活動を通して-」
- 2012年12月 No.135 p.4-5 テーマ展「2011.3.11平成の大津波被害と博物館-被災資料の再生をめざして-」
- 2014年3月 No.140 p.7 事業報告「関西での『平成の大津波被害と博物館』巡回展」
- 2014年9月 No.142 p.1, 6 活動レポート「仮設陸前高田市立博物館被災文化財等保存修復施設の設置」
- 2014年12月 No.143 p.2-3 活動レポート「被災紙製資料の安定化処理と保管」
- 2015年6月 No.145 p.2-3 エッセイ「実習船『かもめ』」
- 2015年6月 No.145 p.6-7 活動レポート「大津波被災文化財保存修復技術連携プロジェクト」
- 2016年6月 No.149 p.3 事業報告「バーミングハム公立図書館からの贈り物 日米親善人形『ミス岩手』の里帰り」
- 2017年9月 No.154 p.7 事業報告「県博バックヤードツアー」
大津波被災文化財保存修復技術連携プロジェクト
当館が中核機関として実施しているプロジェクトです。詳しくはこちらをごらん下さい。
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電話 019-661-2831(代表)
学芸第二課:丸山浩治・鈴木まほろ