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 ■いわてレッドデータブック作成の経緯
  岩手県は、西には秋田県との県境に奥羽山脈が、東には北上高地が南北に縦走しており、この間を南に流れる北上川に沿って北上盆地がひらけています。また、北海道に次ぐ広大な面積を有し、十和田八幡平や三陸復興の二つの国立公園に代表される豊かで貴重な自然に恵まれており、早池峰山や五葉山には固有の希少植物が生育しています。しかし、県全体では原生的自然の占める割合は高くはなく、北上高地を中心に広大な牧野、原野、低木林などの二次的自然が広く分布しています。これらの二次的自然域は、古くから続いてきた人間の農林畜産業などの営みと自然環境の相互作用を通して形成されてきたものです。

 しかしながら、岩手県においても、貴重な動植物の盗採のほか、開発に伴う湿地や広葉樹林などの消失や、社会経済構造の変化による一次産業の大規模・画一化に伴う森林、牧野、原野の放置など、生息・生育地の消失は、野生生物へ少なからぬ影響を与えてきました。

 県においても、「環境王国いわて」の実現を目指し、多様で豊かな環境の保全を図るため、以下のような観点から、生息・生育する希少な動植物について取りまとめた「いわてレッドデータブック」を2001年3月に発刊しました。
 (1) 岩手県における絶滅のおそれがある種の現状を把握し、その保護対策に資すること。
 (2) 県民一人一人が、生物多様性の確保について理解を深め、日々の自然との接し方についての指針の一つとして活用されること。
 (3) 環境アセスメントや各種開発行為の計画や実施に当たっての生物多様性確保対策の基礎資料として活用されること。

 この「いわてレッドデータブック(2001年版)」は、県内の1,029種について選定し解説したものでしたが、情報不足とされる種が163種あるなどの課題を残しておりました。また、発刊から10年以上が経過する間に、これらの動植物について新たな知見が蓄積してきたこと、その他の動植物についても個体数の増減、社会経済活動による土地利用や東日本大震災津波による自然環境の変化などにより、種によっては、分類されているカテゴリー区分や解説内容が必ずしも現状を反映するものではなくなっていました。

 この間、見直しに向けて2007年(平成19年)に改訂方針の検討を行う「いわてレッドデータブック改訂検討委員会」、調査と掲載種の選定を行う「いわてレッドデータブック改訂検討委員会専門部会」を設置し、動植物の専門家による調査と選定に取り組んできました。調査は2008年(平成20年)から、途中、東日本大震災津波による中断を経て2012年(平成24年)まで実施し、掲載種についての選定を行いました。2013年3月に新しいレッドリストを作成・公開するとともに、このリスト掲載種についての現状に沿った解説文を新たに作成し取りまとめ、「いわてレッドデータブック(2014年版)」として発刊したものです。

 また、このWeb版では、「いわてレッドデータブック(2014年版)」を基に、最新の知見を加えたレッドリスト及びレッドデータブックを公開することを目的に、概ね年に1回、内容の見直しを行っていく予定です。
 
 ■選定対象
 掲載対象種は、岩手県に生育・生息する野生動植物のうち、次の分類群に属する種としました。
 植物:シダ植物
    種子植物
 動物:脊椎動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、淡水魚類)
    節足動物(昆虫類、その他の節足動物)
    軟体動物(海産貝類、陸産貝類、淡水産貝類)
 
 ■選定結果
 
 ■更新履歴
 ・平成26年3月13日 いわてレッドデータブックWeb版(2014年版)公開