形態 |
殻高は最大で6mm、殻径3mmほどの小さな巻き貝である。本種はかなり小形だが、サカマキガイと同じく殻の形状は左巻きで、表面には細かい突起のある螺条がよく目立つ。螺官の肩部は角張り、殻口は長卵形で大きい。殻そのものは透明なため、生時は軟体部の黄褐色が透けて見える。 |
分布の概要 |
一関市の一カ所でのみ生息が確認されている。 |
生育状況 |
落葉・落枝の多い岸よりの浅い水底に生息し、付着藻類などを餌にしているようである。水生植物の茎や葉の裏などでも見つかることがある。理由は不明だが消長の激しい動物であり、近年は減少傾向が著しく、生息を確認することは困難な状況である。 |
生存に対する脅威 |
生息地の水量の極端な減少や水温の上昇、水質の汚濁と言った環境悪化は脅威である。また、開発などによる生息地の環境変化が深刻なダメージを与えかねない。 |
特記事項 |
全国的に希少な動物であり、現在確認できる場所はきわめて少ない。本県では今のところ一カ所のみの確認であるため、保全の意義は非常に高い。また、生物学的な情報のほとんどない動物でもある。したがって、今後の研究のためにも個体群の大小を問わず保全を図る必要がある。今回新たにリストしている。 |
文献 |
増田 修・内山りゅう(2004)日本産淡水貝類図鑑A 汽水域を含む全国の淡水貝類. ピーシーズ,東京
大八木昭(2010)ヒダリマキモノアラガイ. 青森県の希少な野生生物−青森県レッドデーブック(2010年改訂版)−.青森県 |
写真 |
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