形態 |
雌成体は体長約4.5mm、脚は長く10mmを越える。背甲は黄褐色、腹部は灰色、背面に暗色紋数対を並べる。雄は未知。尾端の外雌器が幅広く、長く突出しないことが特徴。 |
分布の概要 |
北上高地の北部洞穴とその付近に産する。岩手県北上高地の固有種。 |
生育状況 |
主として石灰洞内から検出され、洞外の地上にも認められるので、真洞穴性ではなく好洞穴性とみなされる。地面に不定形の薄網を張る。3月と7月の調査で成、幼体が同時に認められている。岩泉町の安家洞穴群、岩泉洞穴群から検出され、野田町玉川では洞外地上で採集されている。分布域は局限されるが、洞内の生息密度は比較的高い。 |
生存に対する脅威 |
洞内の環境変化による食餌動物の衰退。 |
特記事項 |
宮古市日出島産のヒノデホラヒメグモ(N.kataokai)は本種の雄の疑いがあったが、著しく大型で産地が離れているため別種となっている。 |
文献 |
Yaginuma, T. (1979) A study of the Japanese species of nesticid spiders.
Fac. Let. Rev. Oitemon Univ., 13:255-287. |
写真 |
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