形態 |
成虫は体長6.3〜9mm、小型のアメンボ。光沢のない黒色、上翅は長翅型ではほぼ尾端まで、短翅型では胴の半分に達しない。結合板腹部側縁の後端は角張るが刺状でなく、前脚の腿節は大半が黒色。近似のヒメアメンボでは前腿節の内面が広く淡色である。 |
分布の概要 |
陸前高田市で記録され、他に花巻市の北上川より東の平坦部(岩手県博物館収蔵標本)でも発見された。国内では北海道および本州の中部地方以北に分布する。北・中部日本の固有種。 |
生育状況 |
平地の池沼で挺水植物間に介在する小水面に生息し、他のアメンボ類と同じく水面を滑走して小昆虫を捕食する。成虫は主に夏期に見られるが春にも見られるので、他種と同じく成虫越冬すると思われる。環境指標種。 |
生存に対する脅威 |
池沼・ため池など挺水植物の生育する環境の改変。 |
特記事項 |
上記のような生息環境があれば産地はさらに増加すると見込まれることなどから、情報不足からDランクに変更した。なお、胆沢ダム周辺から記録された本種はキタヒメアメンボの誤同定の可能性が高い。 |
文献 |
伊藤 智(2003)岩手県下におけるアメンボ科3種の記録.岩手虫乃會會報、30:17-18
建設技術研究所(1997)胆沢ダム周辺環境現況調査報告書. 建設省東北地方建設局胆沢ダム工事事務所・建設技術研究所 |
写真 |
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