形態 |
体長は3.0〜4.5mmで、ミズカメムシ科の最大種。体色は暗褐色で、全身は短毛に被われる。口吻は太く長い。無翅型のみが知られる。 |
分布の概要 |
岩泉町小本、宮古市、山田町、陸前高田市の海岸で記録がある。国内の分布は、北海道(小樽市)、岩手県、東京都(伊豆諸島)、神奈川県、新潟県、三重県、和歌山県、兵庫県、徳島県、愛媛県、高知県、島根県、長崎県(五島列島)、沖縄県(沖縄本島)で記録がある。近年調査が進み、各地から新たな産地が次々に報告されている。 |
生育状況 |
海食洞内のような特殊な環境に生息するとされていたが、県内では岩浜の石礫間や消波ブロック下の礫が多い環境で見つかる。宮古市以南のリアス式海岸の地域に産地が多く、特に広田半島、船越半島周辺の礫の多い海岸で多くの個体数が採集されている。環境指標として重要。 |
生存に対する脅威 |
自然海岸の護岸工事、埋め立て等による岩浜の減少。 |
特記事項 |
本県における最初の記録は1987年に宮古市磯鶏の海岸(その後埋め立てにより消滅)で採集された個体である。東日本大震災の津波による影響については不明。 |
文献 |
中村 学(2005)ウミミズカメムシの岩手県における新産地.岩手県立博物館研究報告,22:42
中村 学(2007b)いわて自然ノート,ウミミズカメムシの北限はどこか.岩手県立博物館だより,112:2
林 正美・山本亜生(2011)ウミミズカメムシの新産地.ROSTRIA,53:78 |
写真 |
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