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サラサヤンマ
トンボ目ヤンマ科
Sarasaeschna pryeri (Martin)
岩手県:Dランク        環境省:なし

形態 成虫は腹長41〜49mm、後翅長35〜41mm。小型のヤンマで、雄は成熟すると腹部背面の斑紋が緑色になり、雌の斑紋は黄色である。
分布の概要 過去に滝沢市、盛岡市、胆沢町、平泉町、千厩町、一関市、松尾村、矢巾町、花巻市、北上市で発見されているほか、雫石町、西和賀町や遠野市からも生息情報がある。国内では北海道から屋久島まで分布し、海外では朝鮮半島から知られる。
生育状況 1〜3年1世代で、平地から丘陵地にかけての樹林に囲まれた湿地などに生息する。成虫は春季から初夏季にかけて出現し、成熟雄はホバリングを交えて湿地上で占有飛翔を行う。放棄水田やハンノキ湿地など、遷移途中段階にある湿地に生息する。
生存に対する脅威 開発による林間湿地の消滅。
特記事項 生息地は開発を受けやすい環境ではあるが、産地が県内に広く分布していること、遷移段階にある湿地を指標する種であることから、CランクからDランクに変更した。
文献 長谷川勉・佐竹邦彦(1995)春子谷地湿原の昆虫および小動物.岩手県滝沢村文化財調査報告書29:1-48. 滝沢村教育委員会
伊藤 智(2001)胆沢町で採集したトンボ3種の記録. 岩手蟲乃會會報,(28):30
小岩 勲(1979)栗駒山のトンボ覚え書. 岩手蟲乃會會報,(2):5-8
小岩 勲(1980)盛岡市のトンボ覚え書[II]. 岩手蟲乃會會報,(5):5-8
小岩 勲(1986)岩手のトンボ. 岩手蟲乃會會報,(13):13-21
佐竹邦彦・及川 勇(2005)北上市稲瀬、立花地区の溜め池とその周辺のトンボ相. 北上市立博物館研究報告,(15):211-225
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