形態 |
成虫は腹長43〜63mm、後翅長41〜50mm。中型のヤンマで、雄は成熟すると黒褐色に青色の斑紋、雌は成熟すると茶褐色に黄緑色の斑紋で翅が橙色に煙る。 |
分布の概要 |
一関市(山本, 1975)、西和賀町と奥州市(小野, 1989)の記録があるが、一関市では絶滅し、他は単発的な記録であったことから分布・生息状況は不明であった。近年、福島県、宮城県と生息が確認され、県内でも一関市、山田町から確認されている。国内では岩手県および新潟県以南の本州、四国、九州に分布する。 |
生育状況 |
1年1世代で、平地から丘陵地にかけての樹林に囲まれた抽水植物の豊富な池沼などに生息する。成虫は初夏季から秋季にかけて出現し、薄暮時に上空を直線的に飛翔する。 |
生存に対する脅威 |
開発による池沼の消滅。 |
特記事項 |
近年、生息情報がもたらされ、今後も増加する可能性が高いと考えられること、本種の北限となることから、CランクからDランクに変更した。 |
文献 |
伊藤 智(1994)故山本弘コレクション内の蜻蛉目に関するメモ. 岩手蟲乃會會報,(21):5-12
昆虫調査班(1989)和賀岳自然環境保全地域調査報告書:201-290. 環境庁自然保護局.
山本 弘(1975)マルタンヤンマ一関繁殖の問題. 東北昆虫,(12):6 |
写真 |
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