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モートンイトトンボ
トンボ目イトトンボ科
Mortonagrion selenion (Ris)
岩手県:Dランク        環境省:準絶滅危惧

形態 成虫は腹長17〜26mm、後翅長11〜18mm。小型のイトトンボで、成熟雄の頭部にはL字状の斑紋があり、腹端部は橙色となる。雌は未熟時には全身橙色であるが、成熟すると緑色となる。
分布の概要 岩手沿岸(山本, 1954)、花巻市、盛岡市、一関市、宮古市、岩手沿岸(小岩, 1986)、滝沢市(長谷川・佐竹, 1995)、北上市(佐竹, 2001)など、内陸から沿岸部まで広範囲に生息している。国内では 本州から九州まで分布する。
生育状況 1年1世代で、平地から丘陵地にかけての湿地、水田など、水深が浅く湿性植物の繁茂した環境に発生する。成虫は春季から夏季にかけて出現する。県内の生息地はまだ残っているが、全国的には減少しており、県単位で絶滅したと考えられるところもある。
生存に対する脅威 開発による湿地や溜池の消失。
特記事項 ハッチョウトンボ、オゼイトトンボ、ハラビロトンボ、シオヤトンボなどと同時に見られる場合が多い。現状では県内に広く産地がみられるが、分布が縮小傾向にあること、低茎草本が繁茂する湿地を指標する種であることから、新規に追加した。
文献 長谷川勉・佐竹邦彦(1995)春子谷地湿原の昆虫および小動物.岩手県滝沢村文化財調査報告書29:1-48. 滝沢村教育委員会
小岩 勲(1986)岩手のトンボ. 岩手蟲乃會會報,(13):13-21
沼宮内耕作(2004)春子谷地のトンボ.岩手蟲乃會會報, 31:13-16.
佐竹邦彦(2001)北上市立博物館所蔵のトンボ類標本について. 北上市立博物館研究報告,(13):143-146
山本 弘(1954)岩手県沿岸地帯昆虫目録. I. 蝶セミトンボ及び直翅類. 進化, 6(3):20-23
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