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ベニヒカゲ
チョウ目タテハチョウ科
Erebia neriene niphonica Janson
岩手県:Cランク        環境省:準絶滅危惧

形態 開張45mm。翅は黒褐色で前翅に黄褐色の幅広い横帯があり、その中に青白色の中心点を持つ黒紋がある。後翅外縁に沿って橙色紋がある。裏面は淡色で前翅では表と同じ紋様で後翅では外縁に平行して灰白色帯がある。
分布の概要 焼石岳山塊、早池峰山群、和賀岳山塊に産する。国内では北海道、本州に分布する。
生育状況 ハイマツ帯の日当たりのいい草原に生息する蝶である。8月上、中旬に成虫が羽化し、花に来て吸蜜をする。雌は幼虫の食草以外の草や落ち葉に産卵する。孵化した幼虫はイネ科やカヤツリグサ科の草本に移動して摂食する。3令位で越冬して、翌年春から摂食して成長し蛹化する。
生存に対する脅威 道路建設やスキー場の開発による生息地の改変。また、ニホンジカの北上による早池峰山周辺のハイマツ帯の草本の食害が植生を変化させること。
特記事項 地理的変異が多く、日本産だけでも20程の亜種が提案されている。その中には早池峰山、焼石岳をそれぞれ独立の亜種にする意見もあり、各産地の個体が維持されることが重要である。
文献 中谷貴寿・北川朝生(2000)東北地方におけるベニヒカゲの生息環境T.蝶と蛾,51(4):255-274
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