形態 |
開張40mm。翅は黄橙色、前翅の外縁に黒色帯あり、後翅の外縁の色帯は細く、尾状突起は黒色で基部に小黒点がある。裏面は表面より赤みに乏しく、細い不鮮明な白縦線がある。外縁1b,2室は濃い橙色、第3室以降は淡色。後翅の外縁に小黒紋列とその外側に白台形状紋列がある。斑紋はアカシジミに酷似している、後翅裏面外縁の黒紋が丸みではなく台形状になる点、銀白帯に光沢がない点などが異なる。 |
分布の概要 |
県の北半分の地域に記録がある。本種は国内では北海道と本州の青森県、岩手県、秋田県、福島県のほか広島県に分布する。広島県産は別亜種である。 |
生育状況 |
幼虫の食樹はカシワで卵越冬をして孵化した幼虫は芽に食入し、6下旬から7月に羽化し夕方カシワの樹上を飛び回っている。 |
生存に対する脅威 |
食樹であるカシワは北海道や青森県の一部のように低温によって安定した群落になれず、普通の陽樹のように他の樹木と入れ替わって消滅する。したがって、生息地は火山地帯のように遷移があまり進んでいない所や、現在はあまり実施されない草原の火入れにより火に強いこの木が残っている所等の不安定な状態に依存していること。 |
特記事項 |
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文献 |
山本勝利(1993)岩手県北部のキタアカシジミ.岩手蟲乃會會報, 20:1-4 |
写真 |
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