形態 |
開張40mm。雄の翅表は暗銅緑色、裏面の地色は雄では濃い褐色、雌では褐色で前翅外縁後角近くに数個の黒色紋がある。後翅には白色に縁どられた褐色のW線と外側に2本の横線がある。後角とその近くに比較的大きな橙色紋がある。 |
分布の概要 |
盛岡市、宮古市、一関市とその周辺、気仙郡から記録されているが、減少傾向にある。国内では本州、九州に分布する。 |
生育状況 |
年1回、初夏の候に成虫が羽化、早朝と夕刻に活動する。雌は植樹であるクヌギ休眠芽の基部や枝の分岐に産卵する。卵越冬。孵化した幼虫は芽に入って摂食し、次第に葉を食べて成長する。 |
生存に対する脅威 |
クヌギの薪炭材としての需要がなくなり減少し、さらに宅地造成などで伐採されること。 |
特記事項 |
本種は1947年に白水 隆によって新種として記載された。その際の副模式標本の雄1個体は盛岡市で小学生が採集し、平野修一が九州大学に送付したものである。盛岡周辺は北限の産地。 |
文献 |
白水 隆(1947)本州産ミドリシジミ類の一新種クロミドリシジミの記載.ZEPHYRUS,9(4):238-244
河野勝行・山本勝利1992)クロミドリシジミの日本における最北端の新産地と盛岡市周辺における採集記録.岩手蟲乃會會報,19:1-2 |
写真 |
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