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ヒメギフチョウ
チョウ目アゲハチョウ科
Luehdofia puziloi inexpecta Sheliuzhko
岩手県: Cランク       環境省:準絶滅危惧

形態 開張50mm。翅には黄色と黒の縞模様がある。後翅外縁の黒帯の中に4個の青色紋がある。後角には中に青色紋を持つ赤色半月紋がある。裏面は淡色で、後角の赤色紋は外縁に沿って伸びている。ギフチョウに酷似するが、前翅前縁に沿う黄色紋列の最上端の1紋が内側にずれているのがギフチョウである。
分布の概要 局地的ではあるが、ほぼ県内全域に分布している。本種の国内分布は北海道、本州の東北地方と新潟県及び関東地方と中部地方である。
生育状況 年1回4・5月に成虫が羽化し、カタクリ等の花で吸蜜をする。幼虫の食草であるウスバサイシンの葉裏に産卵する。葉を食べて成長した幼虫は夏前に地上に降りて葉裏などで蛹化して越冬する。1940年代には湧き出るように多数の個体があらわれた産地もあったが、何れの産地でも個体数は少なくなっている。
生存に対する脅威 森林が放任されることが多くなって林間に灌木などが茂って下草の生育が困難になること。絶滅した産地は放牧地、採草地、ダム、宅地になっている。
特記事項 東北地方のヒメギフチョウが確実に見られる地域として本県は重要である。斑紋の変異によって北海道産と本州産は別亜種にされているが、さらに本州内で東北産と信州産とを別亜種とする見解もある。
文献
写真