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ミチノクケマダラカミキリ
コウチュウ目カミキリムシ科
Agapanthia daurica sakaii (Hayashi)
岩手県:Cランク        環境省:絶滅危惧U類

形態 体長14〜18mm。円筒形で黒色、灰色の微毛で密に被われる。背面に混じる黄褐色毛は前胸背中央に縦線を、小楯板上に点紋を形成し、翅鞘には霜降り状の模様を現す。触角は灰白色で各節の先が黒い。
分布の概要 二戸市、一戸町、久慈市、普代村、八幡平市安代地区、葛巻町、岩泉町、岩手町、雫石町、盛岡市、宮古市、山田町、遠野市、奥州市江刺区、一関市から記録されている。本亜種は本州の東北地方に分布するが、確実な産地はほぼ岩手県に限られ、他県の記録はいずれも1例のみである。このうち秋田県での記録は鹿角市花輪湯瀬で、八幡平市の産地に近い。原名亜種は極東大陸部と北海道に分布する。
生育状況 北上高地の中部に多産し、北部、南部及び沿岸部は情報不足とされていたが、近年北部の折爪岳から報告されたほか、数ヶ所の産地が明らかにされた。県南では種山高原周辺での生息が確認された。沿岸部でも、久慈市から山田町の広い範囲で生息が確認されている。奥羽山脈側では、北部の八幡平市田山や二戸市浄法寺町で近年採集されているが、雫石町と一関市の古い記録は詳細が不明であり、中部、南部からは近年の記録がない。ハンゴンソウのほかアザミ、フキなど、大型のキク科草本の茎葉を食するが、種山高原周辺では外来種のオオハンゴンソウを主たる寄主にしている可能性がある。盛岡市では低地にも産したが、都市化に伴って姿を消した。一方、北上高地では沢沿いや林道沿いのササ原を刈り払った疎林下に増殖を認めている。
生存に対する脅威 現在の比較的安定した沢沿いや湿地周辺の生息環境が、林業活動の衰退などにより改変すること。
特記事項 本亜種の多産地はほぼ岩手県に限られ、事実上、本県特産亜種である。
文献 槇原 寛・伊達 功・鈴木一生(1997)岩手県のカミキリムシ類. 岩手蟲乃會會報 特別号, 1:59-78.
伊達 功(2002)岩手県におけるカミキリムシの分布記録.昆虫と自然,37(2):29-32.
伊達 功(2013)いわてレッドデータブックに掲載されたカミキリムシの記録.岩手蟲乃會會報,40:17-20
武田雅志(2001)ミチノクケマダラカミキリの生態と分布.月刊むし,366:18-20
平野俊秀(2005)岩手県葛巻町でミチノクケマダラカミキリを目撃.月刊むし,413:47-48.
奥 昭夫(2011)二戸市の昆虫 カミキリムシ科.二戸市の自然U:47-57.二戸市
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