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ヤマトエンマコガネ
コウチュウ目コガネムシ科
Onthophagus japonicus Harold
岩手県:Cランク        環境省:準絶滅危惧

形態 体長7o〜11.6o。体色は光沢のある黒色。上翅は黄褐色となり黒紋をもつ。黒紋の大きさは変異が大きい。頭部は点刻を密布し、2本の横隆起をそなえ、後方のものは湾曲する。前胸背板は点刻を疎布する。上翅条溝は浅く、間室は短毛を有する点刻列をもつ。雄は前胸背板の前方両側が突起状に突出し、雌では鈍いコブ状突起となる。県内では上翅が黄褐色のエンマコガネ類は本種のみであり、これだけでも区別できる。
分布の概要 葛巻町、八幡平市安代地区、岩泉町、一戸町などで少数記録されている。国内では本州、四国に局地的に分布。
生育状況 生息密度は低く、局地的である。県内では近年の採集記録はない。出現期は4月から11月といわれ、西日本では10月頃個体数を増す。オープンランド性が強く、下草がまばらで地面が露出している明るい環境を好む。一般的な糞虫類の生息場所とは異なるため、通常の糞虫調査では採集される機会が少ないことも考えられる。調査の時期と場所を変えることによって、新産地が見つかる可能性がある。放牧などの人為的活動と結びついた里山環境の指標種。
生存に対する脅威
特記事項 東日本大震災後、岩泉町で確認されている。
文献 早川博文・千葉武勝(1983)岩手県立博物館所蔵の糞虫類(Geotrupidea,Scarabaeidae)目録, 岩手蟲の會會報,10:17-23
岡島秀張治・荒谷邦雄(2012)日本産コガネムシ上科標準図鑑.学習研究社
川井信矢・堀 繁久・河原正和・稲垣正志(2005)日本産コガネムシ上科図説 第一巻食糞群.昆虫文献六本脚
塚本桂一・稲垣正志・河原正和・森 正人(2009)ふんコロ昆虫記−食糞性コガネムシを探そうー.トンボ出版
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