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オオクワガタ
コウチュウ目クワガタムシ科
Dorcus hopei E. Saunders
岩手県:Cランク        環境省:絶滅危惧U類

形態 体長25〜53mm、黒色、雄の頭楯は著しく幅広く横長であるが、小型の個体は狭くなり、前縁は弧状に湾入する。大顎は強大、大型個体では中央前に大きい内歯がある。前胸背板は幅広く、側縁の中央前方に斜めのえぐれがある。雌は全体強い光沢があり、前胸背板の側縁は前方に狭まる。
分布の概要 これまで盛岡市、宮古市新里地区、花巻市、一関市で記録されている。近年、分布地はさらに広い地域であることが確認された。日本全土に分布する。
生育状況 太い立ち枯れや風倒木などが存在する原生林に生息する。成虫は夜間活動性で、日中は樹洞などに潜み、夜に樹液に来るほか灯火にも飛来する。幼虫は腐朽した木材を食べて育つ。原生林の指標昆虫。
生存に対する脅威 ブナ原生林など本種の生息に適する良好な森林の減少、人為的繁殖に伴う野外からの幼虫生息木を含めた採集圧や飼育系統の野生化による遺伝子かく乱など。
特記事項 県内分布が当初予想よりも広いことが判明したため、BランクからCランクに変更した。
文献 伊師正男・伊師雪友・今井真吾(1992)一関市でオオクワガタの生息を確認.岩手虫乃會會報,19:6
伊藤 智・野中俊文(2003)胆沢町で採集した甲虫類の記録.岩手虫乃會會報,30:10
熊谷 賢(1999)鳥羽源蔵採集盛岡産オオクワガタについて. 陸前高田市立博物館紀要,4:32
佐竹邦彦(2007)花巻の豊かな自然
高橋泰美(1991)岩手県産甲虫類分布資料1. 自刊
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