形態 |
海浜性の小型のゾウムシで、体長4o内外。ほっそりした体形。体色はツヤのある淡褐色から暗褐色。前胸背板は小さな点刻を散布し、さらに大きな点刻を疎布する。上翅間室はツヤがありなめらか。 |
分布の概要 |
宮古市、山田町、陸前高田市から記録されている。国内では北海道、本州、千島に分布。 |
生育状況 |
県内では2月〜11月に見られる。湾奥の波静かな海岸で、前面の海中にアマモの生育する砂浜に生息する。日中は浅い乾いた砂中に多く、ハマベゾウムシとは生息範囲が微妙に異なる。活動開始時期は早く2月よりみられ、6,7月に個体数を増す。砂浜海岸の発達しにくい本県の沿岸部においては、産地は極めて局限される。浅海から砂浜にかけての環境指標種である。 |
生存に対する脅威 |
防波堤の構築など海浜の環境改変。 |
特記事項 |
新産地も確認もされたが、環境改変が著しく進んでいる砂浜海岸に生息していることから、情報不足からBランクへ変更した。東日本大震災の影響により2012年現在、県内の既産地全てで確認できなくなった。3月になるとハマベゾウムシ類は全種活動を開始している。津波の影響により本種を含む浅い砂中や漂着物下に生息する種が大打撃を受けた結果と考えられる。今後の震災復興事業(防潮堤の復旧、嵩上げ等)によっては、残った生息地の消滅も懸念される。 |
文献 |
中村裕之(1995)今月のむし, 月刊むし(296):1
熊谷 賢・砂田比左男(2009)岩手県沿岸南部におけるハマベゾウムシ類について,岩手蟲乃會會報 36:15-1 |
写真 |
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