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ヒメコマグソコガネ
コウチュウ目コガネムシ科
Aphodius botulus Balthasar
岩手県:Bランク        環境省:なし

形態 体長2.8o〜3.5o。体色はやや光沢のある黒色から黒褐色。上翅肩部と翅端部に不明瞭な赤色斑を持つが変異も大きい。近似種に比べ小型で、頭部、背面の点刻がより大きく光沢が鈍く見える。上翅条溝はより強く深い。後胸腹板に点刻を備えていることで区別できる。
分布の概要 盛岡市と大船渡市三陸町に記録がある。国内では岩手県と奈良県のみに分布。
生育状況 県内では5月中旬から6月中旬にかけて短期間発生する。牛糞からも得られることがあるが、主にシカ糞から得られる。林内では見られず、オープンな環境の草丈の短いシバ地状の部分にだけ生息している。県内での分布は限られ、個体数も少ない。
生存に対する脅威 放牧地の質的変化、放棄など環境の遷移によるシバ地の消滅。シカ糞に依存していながら生息地は放牧地のため、シバ型放牧地の維持が重要である。
特記事項 本県と奈良県春日山だけに生息する極めて特異な分布パターンを示す。県内での新産地が見つかる可能性が低いため、Bランクとして新規に選定した。
文献 砂田比左男(2010a)大船渡市三陸町で確認した糞虫類, 岩手蟲乃會會報,37:30-33
岡島秀張治・荒谷邦雄(2012)日本産コガネムシ上科標準図鑑.学習研究社
川井信矢・堀 繁久・河原正和・稲垣正志(2005)日本産コガネムシ上科図説 第一巻食糞群.昆虫文献六本脚
塚本桂一・稲垣正志・河原正和・森 正人(2009)ふんコロ昆虫記−食糞性コガネムシを探そうー.トンボ出版
吉田信代(2009)岩手県の食糞性コガネムシ類:マグソコガネ属5種の報告.岩手蟲の會會報,36:13
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