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ダイコクコガネ
コウチュウ目コガネムシ科
Copris ochus (Motschulsky)
岩手県:Bランク        環境省:絶滅危惧U類

形態 体長18o〜30o。体色は鈍く光沢のある黒色。頭部は前方に向かい半円形に丸くなる。前胸背板の前角は裁断状。上翅条溝は浅く弱い。上翅間室は平坦で微細彫刻を持ち光沢は鈍い。雄は頭部に後方へ曲がる角を備え、前胸背板中央に一対の分岐した突起を持つ。小型の個体では角は短く変化し、前胸の突起の発達は弱い。雌は頭部に板状の横隆起を持つ。
分布の概要 県内の各地に広く分布していた。国内では北海道、本州、九州に分布するが、全国的に産地は激減している。
生育状況 日本最大の糞虫で、牛馬など大型の飼育動物の糞に依存し生活している。本県は牛馬の飼育頭数が多く、かつては県内各地に見られた。現在では産地は激減し、限られた昔ながらのシバ地状放牧地でのみ見られるだけとなっている。近年では大船渡市で確認されている。
生存に対する脅威 牛の飼養形態の変化。放牧地の質的変化に伴うシバ地の放牧地の減少。さらに牛糞の形状の変化が生息に影響する。
特記事項 産地は急激に減少して確認できる産地はほとんど無くなり、近い将来、絶滅の危険があるため、DランクからBランクへ変更した。また、東日本大震災に伴う放射能汚染による放牧の中断が種の存続に影響することが懸念される。
文献 砂田比左男(2010b)釜石市根浜海岸で採集したハンミョウ類.岩手蟲乃會會報,37:35.
岡島秀張治・荒谷邦雄(2012)日本産コガネムシ上科標準図鑑.学習研究社
川井信矢・堀 繁久・河原正和・稲垣正志(2005)日本産コガネムシ上科図説 第一巻食糞群.昆虫文献六本脚
塚本桂一・稲垣正志・河原正和・森 正人(2009)ふんコロ昆虫記−食糞性コガネムシを探そうー.トンボ出版
早川博文・千葉武勝(1983)岩手県立博物館所蔵の糞虫類(Geotrupidea,Scarabaeidae)目録, 岩手蟲の會會報,10:17-23
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