形態 |
開張60mm位。翅は茶褐色、前翅表面の淡色帯や小眼状紋は不明瞭、後翅の外縁近くに4個の眼状紋がある。前翅裏面の斜帯は明瞭で3個の小眼状紋がある。後翅裏面にも眼状紋がある。前後翅共に外縁に淡色の波状線がある。他のヒカゲチョウとは前翅裏面に3個の眼状紋があり、下の紋が大きい事で区別できる。 |
分布の概要 |
東北地方では本県の宮古市、岩泉町、田野畑村から記録されているのみで、その他に関東地方から南の本州、四国、九州に分布する。 |
生育状況 |
7月下旬8月上旬に成虫が出現する。樹液のほかに落果、牛糞に来て吸液をする。樹林内にいるが夕方に沢筋に出て来る。幼虫の食草はイネ科とカヤツリグサ科でその葉裏に産卵する。孵化した幼虫は葉を食べて成長し、草の根元や石の下などで越冬する。翌春再び摂食して葉裏で蛹化する。県内では偶然的に少数が採集されていて生態など生息状況が不明な点が多く、1982年以降の採集記録がなく少数個体で安定しているのか、絶滅に向かっているのかわからない。 |
生存に対する脅威 |
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特記事項 |
本県の三陸地方と栃木県との間に分布の空白地が出来た要因の解明のほか、生息環境、食草など不明な点が多い。 |
文献 |
佐竹邦彦他(1982)岩手県におけるクロヒカゲモドキの既知産地.岩手蟲乃會會報,9:3-6 |
写真 |
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