形態 |
開張35mm。翅表は暗褐色で裏面の斑紋が透過して暗色紋になる。裏面は淡黄色で渇色の数条の縦紋がある。後翅の後角に表裏ともに褐色紋があり、それに続く尾状突起は2本である。 |
分布の概要 |
陸中海岸の久慈市から気仙郡の間のほか、古くは県中央部でも記録がある。国内では岩手県、福島県と関東地方、中部地方、近畿、中国地方に分布する。 |
生育状況 |
6月中旬に発生した雌は古木の幹のくぼみ、樹皮の割目、枝の分岐等に産卵する。孵化した幼虫は移動して樹皮下や腐朽部に営巣しているハリブトシリアゲアリの巣の中でアリから口移しに餌を与えられて育つ。幼虫の腹節に蜜腺がありその分泌物をアリは吸っている。幼虫で越冬して蛹化する。 |
生存に対する脅威 |
共生するハリブトシリアゲアリは古木が生活の場で、その樹種は県内ではクワとキリであるが、生活環境の変化で無用となり最近古木が伐採されること。 |
特記事項 |
既知産地ではここ十年間の間に絶滅傾向にあるので、BランクからAランクに変更した。地理的変異の多い種であり、他から隔離されている本県産は北限の個体として重要である。 |
文献 |
一戸町誌編集委員会(1982)一戸町の蝶.一戸町誌上巻 |
写真 |
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