形態 |
開張65mm位。翅表は雄では黄色、雌では淡い黄色。前翅の先端は鈎状に突出する。前後翅とも中室端に橙黄色の小紋がある。さらに前翅の前縁と外縁、後翅の後角や後縁が赤桃色である。スジボソヤマキチョウでは前翅の前縁が桃色にならない点、後翅径脈の太さ、その他の翅脈で区別できる。 |
分布の概要 |
県内各地から記録があった。国内では青森県南部と岩手県の他は関東地方東部、中部地方西部、静岡県中西部に分布する。 |
生育状況 |
年1回7月中旬から8月に発生し、成虫で越冬して翌春に幼虫の植樹であるクロツバラの芽に産卵する。孵化した幼虫は葉を食べて育ち食樹上で蛹化する。本種の採集記録は1976年滝沢村での記録以降はない。 |
生存に対する脅威 |
既知産地の多くでは宅地化や赤松の植林、耕地化で食樹のクロツバラが失われていること。クロツバラは低地の疎林の中や林縁の陽地性の低木で県内にはこの条件を満たすところは各地に散在していて生存の可能性がある。 |
特記事項 |
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文献 |
加藤武夫(菅原寛夫)・宮慶一郎(1933)盛岡地方蝶類目録.盛岡中学校博物同好會誌,1:5-18
黒滝敏文(2003)岩手県におけるヤマキチョウの古い記録.Celastrina,38:11 |
写真 |
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