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カトリヤンマ
トンボ目ヤンマ科
Gynacantha japonica Bartenef
岩手県:Aランク        環境省:なし

形態 成虫は腹長46〜57mm、後翅長42〜50mm。複眼が大きく、胸部は羽化直後には淡褐色であるが、成熟するにつれ緑色に変化する。腹部は黒色で、成熟雄は腹部2〜3節の斑紋が青色を呈し、成熟雌では緑色を呈する。
分布の概要 県内での近年の記録は無い。かつては盛岡市(小岩 1980、佐竹 2001)、花巻市、盛岡市、一関市、宮古市、岩手沿岸(小岩 1986)、北上市(佐竹 2001)など、県内に広範囲に生息していたことが伺われる。東北地方全体でも絶滅の危機に瀕している。国内では本州から沖縄まで分布する。
生育状況 1年1世代で、平地から丘陵地にかけての樹林に接した水田、湿地、池沼などに生息する。成虫は夏季から秋季にかけて出現し、主として薄暮時に摂食飛翔を行う。日中に林内で雄の探雌行動が見られるほか、秋季になり気温が低下してくると、日中に活動するようになる。
生存に対する脅威 農地整備による乾田化や、開発による樹林と湿地、池沼の消失。
特記事項 県内の記録及び東北地方、県内の生息の現状より、絶滅の危険性が非常に高くなっていることが予測されることから、BランクからAランクに変更した。
文献 小岩 勲(1986)岩手のトンボ. 岩手蟲乃會會報,(13):13-21
朝比奈正二郎(1968)陸中の蜻蛉類の記録. 国立科学博物館専報, 109-114
小岩 勲(1980)盛岡市のトンボ覚え書[II]. 岩手蟲乃會會報,(5):5-8
佐竹邦彦(2001)北上市立博物館所蔵のトンボ類標本について. 北上市立博物館研究報告,(13):143-146
山本 弘(1954)岩手県沿岸地帯昆虫目録. I. 蝶セミトンボ及び直翅類. 進化, 6(3):20-23
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