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オオルリシジミ
チョウ目シジミチョウ科
Shijimiaeoides divines banrine (Leech)
岩手県:絶滅        環境省:絶滅危惧TA類

形態 開張は35mm位。翅表は外縁を除いて光沢ある青藍色で、外縁は黒色であるが小黒紋に分離することもある。後翅外縁は細く黒色で、内側に小黒紋列がある。裏面は青灰色、前翅では外縁に沿って小黒紋列が3列並び内側にさらに黒紋が散在する。後翅外縁の黒紋列間に橙黄色の半月状紋列がある。
分布の概要 盛岡市の岩山、八木田、神庭山、黒石野、観武ガ原、新田町、手掛けの松、厨川、下米内と滝沢村の駅前、分レのほかに宮古市蜂ケ沢に記録があった。国内では青森、福島、群馬、新潟の各県からの記録があったが、すでに絶滅したと見られている。長野県ではごく少数発生するらしい。別亜種が九州の阿蘇・九重高原に産する。
生育状況 年1回成虫が5月下旬から6月中旬に発生し、マメ科のクララに産卵し幼虫はつぼみや花を食べて1カ月位で蛹化する。この間アリがまとわりつくが関係は不明、蛹はアリの巣の入り口近くで見つかる。宮古市では1960年、盛岡市では1963年が最後の記録である。その後、既知産地を中心に調査をしたが発見されていない。
生存に対する脅威 盛岡周辺の生息地は住宅地、遊園地、ゴルフ場などに改変され、クララの生育できる環境ではなくなっている。クララは放置された草原では生育できず、牛馬の放牧によって他の植物が間引きされることが必要である。草原に対する火入れはその時期に蛹が土の中にいて影響がなく、むしろクララの生育には有効である。しかし、宮古市では大規模な山火事があって幼虫が死滅し、絶滅にいたっている。
特記事項 平野修一(1935)岩手山の蝶目録,盛岡中学校博物同好會誌,(1/2):23-28
三浦秀明(1986)宮古市のオオルリシジミ.岩手蟲乃會會報,13:5-6
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