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タナゴ
コイ目コイ科
Acheilognathus melanogaster Bleeker
岩手県:Dランク        環境省:絶滅危惧TB類

形態 全長約10cmと大形になるが、日本産タナゴ類では最も体高が低い。体側の暗色縦条は背びれ基点前から始まり、口ひげは目立たない。また、肩部の暗点もはっきりしないことからアカヒレタビラと区別できる。
分布の概要 二戸市以南の内陸部(馬淵川水系・北上川水系)と洋野町・岩泉町・宮古市の沿岸部で確認されている。
生育状況 流れの緩やかな場所で雑食性の生活を送るが、場所によって個体数にはかなりの差がある。馬淵川や沿岸の河川ではほとんどがカワシンジュガイを産卵母貝として利用しているようだ。
生存に対する脅威 環境の改変や攪乱は脅威である。有家川のタナゴは、80年代に施工された河川改修工事によるカワシンジュガイの激減にともない姿を消したと考えられていた。しかし、2012〜13年の調査によって、カワシンジュガイの生息場所にごく少数生息していることが確認された。この例のように、生息環境、とりわけ産卵母貝の存在がタナゴ類の生息にとっては重要な鍵となる。
特記事項 関東から東北地方太平洋側に分布する日本固有種である。ゼニタナゴと同様に本州東部で分化した種と考えられている。
文献 佐土哲也・松沢陽士(2011)タナゴハンドブック. 文一総合出版、東京.
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