形態 |
日本産フナ属では最も小形で体高が低く、最大でも全長15cmほどである。背びれ基底長が短く、条数は11〜14と最も少ない。体色は黄褐色か、やや赤みを帯びる個体が多い。うろこ外縁が金色に縁取られ、産卵期の雄のえらぶたには追い星が発現する。また、本県産の個体は下顎が角張るものが多い。 |
分布の概要 |
内陸部のほぼ全域と沿岸部の主に宮古市以北で確認されている。 |
生育状況 |
河川にも生息するが、主には平野部の浅い池沼に多い。水生動物(ユスリカ幼虫)や付着藻類などを餌とする雑食性で、底近くを泳ぎ回る。内陸部のある場所では本種しか生息しない池がいくつか認められる。その一方、河川では個体数がきわめて少ない。 |
生存に対する脅威 |
主な生息地が平野部の溜池であるため、水質の悪化や開発などにともなう埋め立ては脅威である。また、オオクチバスなどの魚食性魚類の侵入は深刻なダメージを与えることが懸念される。 |
特記事項 |
日本産固有亜種であり、主に東日本に分布するフナである。一般にもなじみ深い動物でありながら、その生物学的な実態には不明な点が多い。近年の調査により県内には予想以上に広く分布していて、個体数も比較的多いことが判明したため、今回はランクを下げてリストしている。 |
文献 |
|
写真 |
|