形態 |
成魚の全長は約20cmと他の河川性ヤツメ類と同様だが、体側の筋節49〜62と最も少なく、吸盤上の歯があまり発達しない。北方種と同様にアンモシーテス幼生時から尾部が明色であり、変態した成魚の目は小さい。また、場所によるが、北方種よりやや赤みがかった、明るい体色の個体が見られることがある。 |
分布の概要 |
野田村と盛岡市以南の内陸部で生息が確認されている。 |
生育状況 |
基本的な生態や生息状況はスナヤツメ北方種と同様である。 |
生存に対する脅威 |
カワヤツメ河川型と同様である。 |
特記事項 |
本種は、最近の詳しい系統解析によってシベリアヤツメ・スナヤツメ北方種などのカワヤツメ種群と異なり、よりヤツメウナギ類の祖先種に近い系統の遺存種であることが判明した。分布上では、本県が太平洋側の北限となる。最近の調査によって、北上川水系では生息確認場所が増加したものの、個体数は極めて少ないのが現状である。本種の希少性は高く、生息環境の保全には慎重な対応が求められる。 |
文献 |
Yamazaki, Y., R. Yokoyama, M. Nishida, A. Goto.(2006)Taxonomy and molecular
phylogeny of Lethenteron lampreysin eastern Eurasia. Journal of FishBiology,
68 (Supplement B), 251-269. |
写真 |
|