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カジカガエル
カエル目アオガエル科
Buergeria buergeri (Temminck et Schlegel)
岩手県:Dランク        環境省:準絶滅危惧

形態 背面は茶褐色から灰白色で表面はざらざらしており、粒状の突起が散在する。四肢の指には吸盤をもち、後肢には発達した水かきがあり、渓流の生活に適応している。体長は雄が3.5〜4.5cm、雌が5.0〜7.0 cm。体色が類似したツチガエルとは、本種が背面にいぼがないこと、肢に吸盤があることで区別できる。
分布の概要 県内では全域に広く分布し、各地の清流河川で生息が確認されている。河川の下流域では以前生息したが、生息が確認されなくなったという場所が目立つ。本州、四国、九州に分布。
生育状況 成体は水のきれいな、石礫の多い河川とその周辺の河畔林に生息している。繁殖期は5月下旬から8月で、産卵は水中の石の下に潜って、卵塊を産み付ける。孵化した幼生は流水の石の間で生活し,石面に付着した藻類を食べ、8月頃変態し上陸する。雄は長く河川で生息するが、雌は産卵が済むと河畔林に入って生活をする。石礫のある清流河川と周囲の河畔林が一帯となった生息環境が必要である。
生存に対する脅威 河川敷の整備・利用による河畔林の伐採・喪失。河川改修に伴う河畔林の伐採、石礫のある河原の喪失。水質汚濁。
特記事項 昔から鳴き声が美しいことで知られているカエルである。美しい鳴き声は詩歌などにも詠まれている。
文献
写真