形態 |
背面は緑色から暗褐色をしており、体表面は鮫肌状を呈する。腹面は淡黄色である。四肢の指には発達した吸盤を持っている。体長は雄が5〜7cm、雌が6〜9cm。近縁種のシュレーゲルアオガエルとは、本種が背面の皮膚がざらついていること、眼の虹彩が赤みを帯びていることなどから区別できる。 |
分布の概要 |
県内では低地から高地までほぼ全域に分布する。奥羽山脈では高山帯まで分布する。北上高地では湿地帯を中心に分布が点在している。本州(茨城県を除く)、佐渡島に分布。 |
生育状況 |
本種は産卵期に池や沼の周辺に集まり、水面に張り出した樹上に白い泡状の卵塊を産み付ける(産卵時には1匹の雌に数匹の雄が包接し産卵に加わる)。産卵後は周囲の広葉樹林の樹上で生活をする。生息環境として池や沼と周囲に広葉樹の林があることが必須条件である。低地での池沼の減少、北上高地では湿地の乾燥化による生息域の減少が目立つ。各地の生息地の個体群が小さく、総個体数は多くない。 |
生存に対する脅威 |
池沼の水質汚濁、開発による池沼の埋め立てや周囲の森林伐採。魚の養殖・放流。湿地の乾燥化。池沼の陸地化への自然遷移。 |
特記事項 |
日本固有種。国指定の天然記念物:大揚沼のモリアオガエル(八幡平市)は、平成23年市の調査によると、以前放流されたコイの姿は見られなくなったが、沼周辺水域へのミツガシワの繁茂が見られ、産卵数が激減している。県指定の天然記念物:白沼のモリアオガエル(雫石町)は町教委委員会の平成24年度の調査結果の聞き取りによると産卵数の減少は見られないとのことである。 |
文献 |
八幡輝夫(2011)「大揚沼のモリアオガエルおよびその繁殖地」:岩手県八幡平市広報平成23年9月6日号(No134) |
写真 |
幼生 |