| トップページ | RDBについて | RDBカテゴリー | 検索 |

トノサマガエル
カエル目アカガエル科
Rana nigromaculata (Hallowell)
岩手県:Cランク        環境省:準絶滅危惧

形態 背面には緑色や黄白色の背中線と背側線が見られる。雄の体色は褐色から緑色まで変化が見られるが、雌は灰白色から暗灰色で、背面や脇腹に連続した黒色斑紋が見られ、背面部分ではこれらの斑紋が重なり合い全体が黒色を呈する。体長は雄が4〜8cm、雌は6〜9cmで雌が大きい。卵塊は球を圧迫した円形状で2000〜3000 個の卵が内包されている。近縁のトウキョウダルマとは黒色斑紋がつながっていることで区別できる。
分布の概要 二戸市、一戸町、軽米町、九戸村、洋野町、西和賀町で生息が確認されている。本県では分布範囲が狭く限定されている。本州(関東地方から仙台平野を除く)、四国、九州、北海道の一部(人為移入)に分布。
生育状況 水田の代表的なカエルである。池や湿地、沼、河川敷の浅い水溜りにも生息する。昆虫類やクモ類等の節足動物の他、他種のカエルも捕食する。繁殖期は5月末から6月にかけて産卵し、卵は約1週間程度で孵化する。幼生は最大7cmぐらいに成長し、7月下旬〜9月にかけて変態し上陸する。本県では西和賀町内は比較的生息数が多く連続的に生息するが、県北部は生息数が少なく点在しており減少傾向が見られる。
生存に対する脅威 水田稲作の栽培様式の変化、特にも中干し等による幼生の乾燥死。減反による生息域の減少。圃場整備に伴う水路の三面張りコンクリート化による生息域の分断。
特記事項 トノサマガエルの分布が狭い範囲に限定されているのは、水田の分布と地理的な要因が関係していると考えられる。今後更なる調査の吟味が必要である。
文献 篠田宜道(1984)「岩手県のトノサマガエル群の外観的特徴と分布」:Japanese Journal of Herpetology 10(4) P97-103
写真