形態 |
体の背面は暗褐色から青みを帯びた黒褐色。腹面は灰色か暗黄褐色。全長は12〜18cm。近縁のトウホクサンショウウオより一見して全身は黒の単色で、体がやや幅広く大きく見える(形態での区別は難しい)。卵のうは、乳白色のアケビ状をしており水中の枯れ枝などに1対ずつ産み付けられる。 |
分布の概要 |
県内では、西部の奥羽山脈沿いに平地から高山帯(八幡平,真昼岳で確認)まで分布する。一関市(西部)、平泉町、西和賀町、北上市、雫石町、八幡平市、一戸町に分布。北上高地から沿岸部にかけては生息が確認されず分布していないようである。東北地方、北関東、北陸、佐渡に分布。 |
生育状況 |
成体は森林の林床部の落葉、倒木、岩の下などに潜んでおり、昆虫、クモ、ミミズなどを捕食する。産卵は各地の融雪期とほぼ一致し、池や沼、沢のよどみなどの止水域に群をなして産卵する。幼生は秋の頃、幼体となり陸上生活にはいるが、幼生のまま越冬するものもある。生息環境としては、産卵場となる水辺と森林が隣接していることが必要である。県北部ではため池の水質汚濁のため産卵できなくなった池も見られた。 |
生存に対する脅威 |
繁殖池の水質汚濁、魚の養殖への利用。森林伐採による湿地や沼の水枯れ。繁殖池周辺の開発整備によって、周囲の森林生息域と分断されることによる産卵数の減少。 |
特記事項 |
県内では特異な分布をしており、北上高地には分布していない。今後、その原因を究明する課題がある。 |
文献 |
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写真 |
幼生 |