形態 |
体長13cm、セッカより少し大きく、尾はやや長め。体の上面は赤味のある褐色で、頭部から背中にかけて黒い縦班がある。繁殖期の雄はジュジュジュッと鳴きながら数mの高さを飛んでから舞い降りる。地鳴はギジギジあるいはチャッチャッ。 |
分布の概要 |
極東アジア北部の湿原草地で局所的に繁殖。日本では本州北部及び利根川下流のヨシ・オギの生える湿原や埋立地で繁殖し、全体で約2500羽程度が生息すると言う。 |
生育状況 |
県内ではこれまで、鵜住居川河口、吉浜川河口、盛川河口及び古川沼で秋冬期の移動中あるいは越冬期に少数が確認されていた。しかし、2011年3月の大津波でその生息地がいずれも壊滅的被害を受けた。その後2011年10月の調査において吉浜川河口で複数羽が確認されたが、その他3カ所での確認はない。ただし、2012年11月に宮古市赤前地区のバンディング調査で1羽確認された(写真)。 |
生存に対する脅威 |
大津波によって県内の渡り中継地あるいは越冬地である河口部ヨシ原が崩壊したため、渡りや越冬に支障が出ていると推測される。地盤が沈下したこともあって現在各種の復旧作業が進んでいるが、本種の生活域である河口部湿地の保全が重要。 |
特記事項 |
国内希少動植物種に指定。 |
文献 |
千葉一彦・作山宗樹(2011) 岩手県沿岸南部におけるオオセッカ(Locustella pryeri)の越冬状況. Strix 27:89-96.
NPO法人 おおせっからんど(2012) オオセッカ等のヨシ原に生息する希少鳥類の生息状況の現況把握. in「 東日本大震災に係る陸域に生息する鳥類への影響把握調査報告」p2-16. |
写真 |
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