形態 |
樹高25m、胸高直径70cmになる夏緑広葉高木。樹皮は灰黒色で、しばしば多くの幹を出す。若い枝は淡褐色の軟毛を密生するがすぐに無毛となり、黒紫色になる。葉は長楕円形で、先端は鋭尖形で、側脈が10〜14対、裏面の脈上に長い軟毛が残存する。4〜5月、雄花序は下向き、雌花序は上向きにそれぞれつける。 |
分布の概要 |
一戸町、葛巻町、宮古市、山田町、大船渡市、花巻市、一関市などに分布する。本州(岩手県以南)・四国・九州(熊本県以北)に分布する。 |
生育状況 |
山地斜面で、時に傾斜30°以上の急傾斜地にも生育する。 |
生存に対する脅威 |
森林伐採、森林開発、自然災害など。 |
特記事項 |
イヌブナ林、ブナ・イヌブナ林は冷温帯下部の自然植生の指標となる。一戸町の自生地は2011年、「平糠のイヌブナ自然林」として国の天然記念物に指定された。 |
文献 |
小守一男(1982)一戸町の生物,植物,「一戸町史上巻」,101-131,一戸町
石塚和雄・斎藤員郎・佐々木豊・畠山茂雄(1992)イヌブナの新北限分布域,植物研究雑誌67:35-43
菅原亀悦・小水内正明(1998)葛巻町の特記すべき植生,「葛巻町自然環境調査報告書」(葛巻町自然環境調査団編),1-58,葛巻町 |
写真 |
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