形態 |
高さ15mになる夏緑広葉高木。樹皮は老木では短冊状にはがれる。長枝と短枝があり、短枝は刺状に残ることがある。葉は卵状楕円形または広卵形で、葉縁は芒状の鋭鋸歯があり、両面は軟毛、のちに無毛となる。5月、開葉と同時に開花する。花は白色で、萼裂片の内面に長軟毛を密生する。果実は小さな球形で、褐色に熟す。果頂に萼裂片が宿在する。 |
分布の概要 |
県内各地に生育する。本州(岩手県)、ウスリー・中国(北部・東北)・朝鮮に分布する。 |
生育状況 |
草原の縁、谷筋や水路の縁などのやや湿性で日当たりのよい場所に生育する。また、家屋や耕作地に近い場所にも植栽される。 |
生存に対する脅威 |
森林伐採、河川改修など。 |
特記事項 |
自生型と逸出型があり、前者は北上山地の高地に限定的に生育し、後者は広く分布する。 |
文献 |
Iketani H. & Ohashi H.(2003)Taxonomy and distribution of Japanese populations
of Pyrus ussuriensis Maxim. (Rosaceae), J.Jpn.Bot. 78: 119-134
池谷祐幸・間瀬誠子・佐藤義彦(2006)北東北地方におけるナシ属・リンゴ属の探索・収集,植物遺伝資源探索導入調査報告22:13-21 |
写真 |
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