形態 |
細身で、群生する多年生の沈水植物。地下茎は細く、横走し、1節おきに水中茎を出す。沈水葉は狭線形、1〜3脈がある。葉の内側に茎を抱く托葉がある。6〜8月、穂状花序を水面に出す。果実は細長く、まばらにつける。枝の先端が殖芽となり、水底に沈んで越冬する。 |
分布の概要 |
花巻市、西和賀町、北上市、奥州市、一関市、釜石市などに分布する。本州・四国、ヨーロッパ・北アメリカに分布する。 |
生育状況 |
沼やため池、河川、水路などの水深3mまでの浅い水域に生育する。 |
生存に対する脅威 |
池沼・河川開発、水質汚濁、水量減少、乾燥化など。 |
特記事項 |
環境の変化を受けやすく、生育地や個体数が減少している。沈水葉の幅が1mm前後の沈水植物を本種と同定されることがしばしばあるが、近縁種と誤っている場合が多い。東日本大震災の大津波後に出現した池沼もあるが、存続する可能性はきわめて低い。 |
文献 |
高野祐晃・須川直義(2007)北上市口内地区におけるため池の水生植物,北上市立博物館研究報告16:105-110
井上幸三・吉田稔(1983)岩手県湯田町「湯川沼」の環境と植生,岩手植物の会会報20:31-36
高野祐晃・須川直義(2005)北上市稲瀬,立花地区における溜め池の水生植物,北上市立博物館研究報告15:205-210 |
写真 |
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