形態 |
高さ10〜30cmになる沈水生の一年草。水深によって植物体のサイズは変化する。葉は披針形から広卵形で質が薄く、葉縁は波状のしわがあり、柄がある。8〜10月、葉の間から花茎を伸ばし、先端に白色〜淡紅色の大型の両性花を1個つける。さく果は多数のひだがあり、水中に沈む。その中に毛のある微少な種子が多数ある。 |
分布の概要 |
花巻市、北上市、金ケ崎町、奥州市、一関市、宮古市、山田町などに分布する。本州・四国・九州に分布する。 |
生育状況 |
ため池や水田、水路などの水域で、水深が20cm程度までの停滞水域に生育する。 |
生存に対する脅威 |
池沼・湿地開発、圃場整備、農薬汚染、乾燥化、自然遷移など。 |
特記事項 |
水田雑草であるが、乾田化により個体数・生育地とも減少している。日本産の水草の中では最も顕著な種内変異を示し、生育環境によるサイズや形態の変化がある。東日本大震災の大津波後に出現した池沼もあるが、その後、埋め立てられて絶滅した。 |
文献 |
大森鉄雄(2012)花巻市のため池・湿性地の植物U―花巻市石鳥谷町域のため池等における水生・湿生植物,花巻市文化財調査報告書6:1-50
吉田繁(1985)陸前高田沿岸部の植物―広田半島を中心に―,岩手植物の会会報22:6-13
高野祐晃・須川直義(2007)北上市口内地区におけるため池の水生植物,北上市立博物館研究報告16:105-110 |
写真 |
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