形態 |
高さ25〜30cmになる多年草。長い地下茎があり、大きな株状となり広がる。葉は互生し、へら形で柄がなく、厚く、茎とともに圧毛がある。5〜8月、白色の花を開く。果実はコルク質で、中に4つの小角がある。 |
分布の概要 |
沿岸に点在していたが、現在、洋野町、野田村、宮古市などにわずかに分布する。北海道・本州・四国・九州、朝鮮・シベリア・ヨーロッパに生育する。 |
生育状況 |
海岸砂地に生育する。 |
生存に対する脅威 |
海岸開発、海岸整備(防潮堤建設、水門建設、港湾建設、埋め立て、道路建設など)など。 |
特記事項 |
以前は沿岸の海岸砂地に普通に生育していたが、海岸開発などによって多くが消失した。残された生育地も東日本大震災の大津波によって失われたが、自然状態が残された場所では再生が進んだ。しかし、港湾工事によって再生した個体群も危険な状態となり、さらに今後の海岸整備によって絶滅する地域も出現する。 |
文献 |
関根清正(2007)洋野町の海岸植物について,岩手植物の会会報44:37-39
小山田智彰・鞍懸重和・新井隆介・山内貴義・片山千賀志(2012)東日本大震災の津波による岩手県における海浜性植物の消滅,薬用植物研究34:37-48 |
写真 |
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