経済産業省・特許庁は、デザインによる我が国企業の競争力強化に向けた課題を整理し、その対応策を研究するため、平成29年度に「産業競争力とデザインを考える研究会」を開催し、その報告書として平成30年5月23日に『「デザイン経営」宣言』を公表しました。
経済産業省によるデザインに関する政策提言は、2003年の戦略的デザイン活用研究会報告書「競争力強化に向けた40の提言」以来の15年ぶりのものです。
産業競争力とデザインを考える研究会報告書『「デザイン経営」宣言』
『「デザイン経営」宣言』の主な内容は次のとおりです。
デザインは、企業が大切にしている価値や、それを実現しようとする意志を表現する営みであり、他の企業では代替できないと顧客が思うブランド価値とイノベーションを実現する力になります。このようなデザインを活用した経営手法を「デザイン経営」と呼びます。
イノベーションの本来の意味は、発明(インベンション)を実用化し、社会を変えることだとされています。技術革新だけではなく、社会のニーズを利用者視点で見極め、新しい価値に結び付けることができてはじめてイノベーションが実現します。
「デザイン経営」を実践するためには以下の2点が必要条件となります。
デザイン責任者とは、製品・サービス・事業が顧客起点で考えられているか、又はブランド形成に資するものであるかどうかを判断し、必要な業務プロセスの変更を具体的に構想するスキルを持つ者をいいます。
「デザイン経営」を実践するためには、企業において、複数の取り組みを⼀体的に実施することが望ましいです。
「デザイン経営」のための具体的な取り組みは次のとおりです。
出典:産業競争力とデザインを考える研究会報告書『「デザイン経営」宣言』より