いわての希少淡水魚 〜いわてレッドデータブックより〜
岩手県は雄大な自然環境に恵まれ、南北を流れる北上川、馬淵川を始め、沿岸を多数の2級河川が流れるほか、盛岡市周辺から一関市にかけて北上平野に分布する多数のため池群や農業用水路、山間部に点在するダムなど豊かな淡水域を抱えています。このような自然環境の中で、県内に生息する淡水魚は2001年までに75種及び亜種が確認されておりました。しかしながら、この中でシベリアヤツメは県内では既に絶滅したと考えられております。また、いわてレッドデータブックAランクに分類されているシナイモツゴ、ゼニタナゴ、イトヨ淡水型についてはその生息地域が減少あるいは局限しており、地元の環境団体や関係団体、自治体などが協力して生息環境全体の保全活動が行われております。Bランクに分類されているキンブナ、メダカ、ハナカジカのうち、キンブナとメダカについては花巻市以南のため池や水田等で生息が確認されておりますが、キンブナの個体数はあまり多くないように思います。また、ハナカジカについては県内全域の河川上流域で生息しているとのことですが、個体数は少ないといわれております。
今後もこういったことを念頭に置きながら水辺環境の開発や保全について検討していく必要があると思われます。
※ いわてレッドデータブックとは
岩手県に生息、生育する希少な野生動植物をまとめたもので、Aランクに分類されるのは絶滅危惧種、岩手県固有で分布が局限しており存在基盤が脆弱な種です。また、Bランクに分類されるのは絶滅の危機が増大している種で近い将来Aランクに移行する可能性がある種のことです。