<報告書> |
概要 |
岩手県環境保健部自然保護課(1993) 特殊鳥類生息実態調査報告書. |
1990〜92年の県内の繁殖状況や行動域、食性などの調査結果。クマタカ、オオタカなども収録。 |
岩手県生活環境部自然保護編(1999) 野生生物保護対策事業調査報告書:イヌワシ生息状況調査. |
1996〜98年の県内の生息状況や行動圏、生息環境の解析、保護管理の提言など。 |
由井正敏(2006) 希少猛禽類イヌワシとの共存を目指した森林施業法の確立. |
科学研究費補助金による研究成果をまとめたもの。北上高地の列状間伐によるイヌワシ、ノウサギ、植生への影響を検証。 |
岩手県環境保健研究センター(2012) 岩手県のイヌワシ:2002〜2011年の生息状況報告. |
10年間にわたる調査研究によって得られた生態や保全に関する知見をまとめた報告書。→PDFファイル閲覧 |
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<書籍> |
概要 |
遠藤公男(1983) イヌワシと少年. 偕成社. |
岩泉町でイヌワシの雛を発見した少年を描写したノンフィクション文学。岩手県で初めてイヌワシの生息が確認された経緯が綴られる。 |
岩手日報社出版部編(1989) 岩手の鳥獣百科. 岩手日報社. |
写真と文によって1種ずつ解説。 |
岩手県生活環境部自然保護課(2001) いわてレッドデータブック. |
県内の絶滅の恐れがある動植物種を集めたリスト。 |
日本林業技術協会編(2004) 森の野鳥を楽しむ101のヒント. 日本林業技術協会. |
イヌワシと森林の間伐についての項目がある。 |
関山房兵(2007) イヌワシの四季. 文一総合出版. |
長年の観察に基づいて、北上高地に生息するイヌワシの四季の暮らしを綴ったエッセイ集。 |
応用生態工学序説編集委員会編(2007) 自然再生への挑戦. 学報社. |
岩手県と新潟県で実施されたイヌワシの餌場づくりのための列状間伐事例を紹介。 |
Hirose, T.(ed.) (2010) The Restoration of Nature in Japan. Tokai University
Press. |
上記「自然再生への挑戦」の英語版。列状間伐の事例を記載。 |
岩手県生活環境部自然保護課(2014) いわてレッドデータブック. |
新たな情報により改訂した県内絶滅危惧種のリスト |
京都大学野生動物研究センター編(2018) 野生動物:追いかけて、見つめてしりたいキミのこと. 京都通信社. |
遺伝子解析によってイヌワシの絶滅を予測する研究に関する項目がある。 |
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<論文など> |
概要 |
青山一郎・久慈敏(1986) ニホンイヌワシの最も早い巣立ち日. Aquila chrysaetos, 4: 22. |
4月28〜29日に巣立ったと見られる観察例。 |
青山一郎・関山房兵・小原徳応・田村剛・坂口斉(1988) 北上山地におけるニホンイヌワシの繁殖行動. Aquila chrysaetos, 6: 14-23. |
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田村剛(1991) 北上山地におけるイヌワシ繁殖個体の更新例. Aquila chrysaetos, 8: 18. |
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田村剛(1991) 北上山地におけるイヌワシ岩棚巣の人為的補修成功例. Aquila chrysaetos, 8: 19-20 |
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田村剛(1992) 岩手県におけるイヌワシの生息・繁殖状況. Aquila chrysaetos, 9: 17-22. |
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田村剛・関山房兵・小原徳応(1995) リモートセンシング法によるイヌワシ生息地<3309>の環境解析例. Aquila chrysaetos, 11: 11-13. |
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関山房兵(1998) 北上高地におけるイヌワシの生態と繁殖率の変動. 早池峯,
24: 2-23. |
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由井正敏・工藤琢磨・藤岡浩・柳谷新一(2001) 小規模疎開地の造成がイヌワシの探餌行動頻度に与える影響. 総合政策, 3: 1-9. |
秋田駒ヶ岳山麓に6か所の疎開地を設け、イヌワシの採餌行動の変化を調査。 |
前田琢(2003) 森林の帯状間伐によるイヌワシの採餌場所整備効果の検討:施業後1年目の結果から. 岩手県環境保健研究センター年報, 3: 69-72. |
イヌワシの生息地整備事業として行なわれた間伐の効果を検証。 →PDFファイル閲覧 |
Maeda, T., Inoue, Y., Obara, N., Arakida, N. and Tsujimoto, T. (2004) Long-distance movement of a rescued juvenile golden eagle after release into the wild. Journal of Yamashina Institute for Ornithology, 36: 22-27. |
保護放鳥したイヌワシ幼鳥の長距離移動記録。 |
前田琢(2004) ビデオカメラによるイヌワシの繁殖記録から繁殖不成功の原因を探る. 岩手県環境保健研究センター年報, 4: 59-62. |
ビデオ記録したイヌワシ3つがいの繁殖行動を解析し、繁殖を中止した理由を考察。 →PDFファイル閲覧 |
由井正敏・関山房兵・根本理・小原徳応・田村剛・青山一郎・荒木田直也(2005) 北上高地におけるイヌワシAquila chrysaetos個体群の繁殖成功率低下と植生変化の関係.
日本鳥学会誌, 54: 67-78. |
北上高地のイヌワシの繁殖成功率低下を行動圏内の植生変化や巣の状態、気象条件などで説明。 |
由井正敏・飯倉善和(2005) 北上高地に生息するイヌワシの繁殖成績と植生の関係:既存の植生データと衛星画像データの比較分析. 日本猛禽類フォーラム研究活動報告書,
53-61. |
北上高地のイヌワシ行動圏内の植生を衛星画像データから分析し、繁殖成績との関係を検討。 |
Takeuchi,T., Shiraki,S., Nashimoto,M., Matsuki,R., Abe,S. and Yatake,H.
(2006) Regional and temporal variations in prey selected by golden eagles
Aquila chrysaetos during the nestling period in Japan. Ibis, 148: 79-87. |
秋田県の営巣地で撮ったビデオの解析による餌動物の構成を、北上高地を含む日本各地の記録と比較。 |
前田琢 (2006) 絶滅危惧種イヌワシの現状と将来. 消えゆく岩手の自然:生きものたちのメッセージ(第53回企画展関連講演会・秋期セミナー記録集),
岩手県立博物館, 61-66. |
岩手県のイヌワシの繁殖状況、増減予測、保護策等について解説。 |
由井正敏(2007) 北上高地のイヌワシAquila chrysaetosと林業. 日本鳥学会誌, 56: 1-8. |
北上高地のイヌワシの繁殖成功率を改善し、個体群を安定させるための森林管理を提唱。 |
石間妙子・関島恒夫・大石麻美・阿部聖哉・梨本真・井上武亮・前田琢・由井正敏(2007) ニホンイヌワシの採餌環境創出を目指した列状間伐の効果.
保全生態学研究, 12: 118-125. |
北上高地のイヌワシの行動圏で実施された列状間伐の効果を、イヌワシの探餌頻度や餌動物の個体数などから検討。 |
Sato, Y., Ito, H., Onuma, M., Maeda, T., Ogden, R. and Inoue-Murayama,
M. (2015) Development of 20 microsatellite markers for the endangered Japanese
golden eagle (Aquila chrysaetos japonica) using next generation sequencing.
Conservation Genetics Resources 7: 917-944. |
イヌワシに特化して開発された20種のDNAマーカーを報告。 |
Sato, T., Ogden, R., Komatsu, M., Maeda, T. and Inoue-Murayama, M. (2017)
Integration of wild and captive genetic management approaches to support
conservation of the endangered Japanese golden eagle. Biological Conservation,
213: 175-184. |
イヌワシの野生個体と飼育個体のDNAを調べ、遺伝的多様性や個体群の存続可能性を検討し、野生と飼育下で連携した個体群の遺伝子管理について議論。 |
高橋佑亮・前田琢・本田敏夫 (2017) 伊豆沼・内沼におけるイヌワシの初記録とその後の長距離移動. 伊豆沼・内沼研究, 11: 67-74. |
宮城県伊豆沼に出現したイヌワシが岩手県住田町で再確認された記録。 |
前田琢 (2019) なわばりの隣接するイヌワシ個体間に見られたつがい形成と解消の事例. 岩手県環境保健研究センター年報, 19:75-78. |
異なるつがいだった雄成鳥と雌成鳥が新たなつがいを形成し、それぞれのなわばりと営巣地を行き来して繁殖活動を行なった事例を紹介 →PDFファイル閲覧 |
Ogden, R., Fukuda, T., Funo, T., Komatsu, M., Maeda, T. Meredith, A., Miura,
M., Natsukawa, H., Onuma, M., Osafune, Y., Saito, K., Sato, Y., Thompson,
D. and Inoue-Murayama, M. (2020) Japanese golden eagle conservation science:
current status and future needs. Japanese Journal of Zoo and Wildlife Medicine,
25: 9-28. |
ニホンイヌワシの保全に関して、生態学、遺伝学、獣医学、生息地管理などの研究を総説し、野生や飼育個体群の現状と将来の保全管理について議論。 |
ニホンイヌワシ保全研究グループ: Ogden, R., 福田智一, 布野隆之, 小松 守, 前田琢, Meredith, A., 三浦匡哉,
夏川遼生, 大沼学, 長船裕紀, 齊藤慶輔, 佐藤悠, Thompson, D., 村山美穂 (2020) ニホンイヌワシの保全学: 現状と将来展望.
日本野生動物医学会誌. 25: 9-28. |
ニホンイヌワシの保全を論じた上記総説の日本語版。日本自然保護協会が翻訳。 →PDFファイル閲覧 |
Sato, Y., Ogden, R., Kishida, T., Nakajima, N., Maeda, T. and Inoue-Murayama,
M. (2020) Population history of the golden eagle inferred from whole-genome
sequencing of three of its subspecies. Biological Journal of the Linnean
Society, 130:826-838. |
日本、スコットランド、北アメリカのイヌワシ3亜種についてゲノム解析を実施し、亜種分化の時期や個体群サイズの変遷を推定。 |
Naito-Liederbach, A. M., Sato, Y., Nakajima, N., Maeda, T., Inoue, T.,
Yamazaki, T., Ogden, R. and Inoue-Murayama, M. (2021) Genetic diversity
of the endangered Japanese golden eagle at neutral and functional loci.
Ecological Research, 36:815-829. |
北日本中心だった既往研究に西日本の試料も加え、日本全体のイヌワシの遺伝的特性について再評価。主要組織適合遺伝子複合体(MHC)についても解析。 |
前田琢 (2023) 繁殖期に魚類を利用するイヌワシ. 山階鳥類学雑誌, 55:1-12. |
岩手県北上高地で、魚を巣に運ぶイヌワシのつがいについて紹介。 |
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<記事など> |
概要 |
原田卓哉(2005) 生き物たちからの警告7:イヌワシ. 岳人, No.697: 150-151. |
北上高地と西上州におけるイヌワシの現況をレポート。 |
関山房兵(2007) 東北のイヌワシ:現状と課題. BIRDER3月号別冊, 58-59. |
東北6県での生息数や調査の問題点を解説。 |
関山房兵(2007) イヌワシとクマタカ:人との共存への道. BIRDER3月号別冊, 60-63. |
両種が日本にすみついた経緯とこれからの共存策を解説。 |
前田琢 (2008) 岩手県の絶滅危惧種保護の取り組み. ワイルドライフ・フォーラム, 13: 52-53. |
岩手県によるイヌワシ繁殖支援の取り組みを紹介。 |
関島恒夫・布野隆之・石間妙子(2009) 森林と猛禽類:イヌワシを例に. 私たちの自然, 50: 5-7. |
森林環境の変化とイヌワシの繁殖の関係を解説し、岩手県での列状間伐事例の効果についても紹介。 |
前田琢 (2021) イヌワシ生息域内での保全の取り組み. 自然保護, 581:8-9. |
イヌワシの繁殖失敗の原因を探り、繁殖率向上のための保護の取り組みを紹介。 |