(平成29年4月27日掲載)
林業技術センター研究員の学位取得について
林業技術センターの新井主査専門研究員が、信州大学大学院より博士(農学)の学位を授与されたのでお知らせします。なお、県の林業関係職員の学位取得は今回で5人目となります。
1 所属・職氏名
岩手県林業技術センター研究部 主査専門研究員 新井隆介(アライ リュウスケ)
2 学位取得日
平成29年3月20日
3 学位論文名
生物多様性の保全を目的とした冷温帯における半自然草原群落及び希少チョウ類生息地の植生管理に関する研究
4 内 容
前職(岩手県環境保健研究センター:平成22〜25年度)から社会人ドクターとして取り組んだ学位論文で、ススキ草原(写真1)などの半自然草原やチョウ類のゴマシジミ※(写真2)生息地に係る生物多様性保全を目的とした植生管理について研究した。
ゴマシジミ生息地の保全には、その食草※と寄主アリとの種間関係の保全を目的とし、6月に食草のみを選択的に残す刈取り処理の効果を検証した。その結果、食草を被陰するヨシなどの競合種の低下などの効果が確認され、さらに寄主アリに対する影響も小さいと考えられたことから、生物多様性の保全に有効な植生管理手法であると考えられた。
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写真1 ススキ草原(茅場)金ケ崎町 |
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写真2 ゴマシジミ |
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ゴマシジミ:「岩手県希少野生動植物の保護に関する条例」により指定希少野生動植物に指定され、採取等が禁止されている。環境省レッドデータブックで準絶滅危惧、岩手県レッドデータブックでAランクに掲載されている希少なチョウ類。
※ 食草はナガボノワレモコウ(バラ科)