令和元年8月3日 情報提供(文、写真) 小原 昭彦
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表掛・裏掛の周回コースは、栗駒山の魅力を満喫できるダイナミックなルートですが、
標高差があり距離が長いため体力が求められます。
さらに今年は、昨年同期よりも数倍も多くの雪渓が残っていたことから、雪渓歩きのスキルも必要です。
さて、数ある登山道の中で随一の歴史を誇りながら、登山者の少ない「表掛・裏掛」コース。
登山ポストのある広い駐車場(旧いこいの村栗駒)から朝露のついた笹藪に入り込み、
イワカガミ平の西側を源流とする「岩魚沢」などの小沢を経て1時間ほど歩くと「御沢」に着き、
「石飛八里」と呼ばれる沢登りが始まります。
ここからは呼吸を整え、脳に酸素をしっかり供給しながら、右に左にルートファインディングしながら
最適なコース取りを繰り返しました。
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沢地形ですが、浅く開けているため木陰が少なく、上昇気流の風もなかったので、熱中症には要注意な場所です。
また、滑落や転倒による怪我の心配もあるので、出来ればヘルメットの着用が望ましいところです。
通常の登山道ではザックの重量配分(重心)を高くするのが一般的ですが、ここは岩の上を右に左に渉るので、
経験上ザックの重心をできるだけ低くした方がバランスが取れると思います。
ハシゴ滝を経て御室下に着くと、そこには一面のお花畑が広がるはずなのですが、
今年は大規模な雪渓が横たわっていました。
雪解け水の湿地には、ヒナザクラやイワカガミ、アオノツガザクラなどがたくましく咲いていました。
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御室の駒形根神社(奥宮)に参拝し、山の安全祈願をしたところで初めて他の登山者に出会い、
写真モデルになっていただきました。
山頂からは、東栗駒コース経由で裏掛を下山します。
ドゾウ沢の北側の古い崩落箇所で休憩していたら、雷のような轟音がゴロゴロと聞こえました。
どうやら、平成20年岩手・宮城内陸地震の土石流崩落源頭から落石があったようです。
その証拠に湧水が濁っていたので、長居をせずに速やかに通過しましょう。