令和元年年7月27日 情報提供(文、写真)岡野 治



鶏頭山〜早池峰山縦走コース

天気に恵まれず、今シーズンは鶏頭山縦走コースを歩いていませんでしたが、

27日(土)に鶏頭山から早池峰山までの縦走コースを歩いてくることができました。

天気予報はそれほど良くなく、午後からは雨になることも予想されたので、

縦走コース途中の中岳までに雨が降り出せば戻るつもりでしたが、中岳まで来ても、

雨にはならず、天気も良くなってきたので、早池峰山まで縦走できました。

 

 

 


霧中の鶏頭山ブナ林
 
 鶏頭山頂


 
鶏頭山〜中岳間の泥濘箇所


中岳西側の岩場箇所


ニセ鶏頭〜鶏頭山付近では、イブキジャコウソウ、ハクサンフウロなどの花が見られ、中岳西側の岩場地帯では、

ハヤチネウスユキソウやミヤマアケボノソウも多く見られますが、それら以外の鶏頭山〜中岳間の縦走路は

ほとんどがアオモリトドマツ林内で、展望は得られません。その上、泥濘箇所が多く、靴は泥だらけになってしまいました。

5年前に発生した大量倒木は、ほとんどが処置されていますが、太い倒木を超えたり、くぐったりする箇所が、

まだ6箇所ぐらい残っています。また、中岳西側の岩場地帯は、滑落とともにコースを逸脱しないよう

注意も必要です。

 

中岳までは、霧の中でしたが、中岳を過ぎて、早池峰山に向かって行くと、時々霧も晴れてきてくれて、

雲海越しに少し頭を出した岩手山や秋田駒ヶ岳も臨めました。

中岳〜早池峰山頂間では、小田越コースでは見られない稀産種のチシマギキョウ、チシマツガザクラ、

リンネソウの花が見られます。先週は咲き始めていたものの花数は少なめでしたが、

今回は例年以上に多くの花を見ることができました。


 

 
中岳〜山頂間から西側(霧の晴れ間)
 
ハイマツの下で     ひっそり咲くリンネソウ
 
 多数の花をつけていた               チシマギキョウ
 
 チシマツガザクラも多くの花


山頂から南側の小田越コースでは、イブキジャコウソウ、タカネナデシコ、チシマフウロが満開で大変綺麗です。

ナンブトウウチソウも花数が増えています。ハヤチネウスユキソウはまだ咲いていますが、

純白な花弁(包葉)は少なくなって、黄ばんだものが多くなりました。

ホソバツメクサは花数が増えて最盛期ですが、カトウハコベの方は、花が散り始めています。

 

昨年多数の花が見られたコバイケイソウは、今年は開花が少ないはずですが、山頂直下では、

予想外に10株ぐらいまとまって咲いていました。一方、中岳付近のコバイケイソウはシカの食害が激しく、

ほとんど食べられしまいました。

早池峰山では、激化するシカの食害に対応して、昨年から防鹿柵の設置が行なわれています。

先週には、グリーンボランティアも協力して、小田越から2合目付近までの3箇所に防鹿柵を設置しましたが、

守りたい対象に比べて、局所的にしか守れないのが残念なところです。





ハヤチネウスユキソウと           ナンブトウウチソウ 
 
イブキジャコウソウが多数咲く斜面             (小田越7合目付近)
 
シカの食害に遭った コバイケイソウ(中岳)


設置した防鹿柵(小田越付近)



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