平成30年9月2日 情報提供(文、写真) 岡野 治



門馬コースから小田越へ


河原坊コースの崩落通行止めにより、ほとんどの登山者は小田越コースを往復していますが、

早池峰山頂に至る登山コースとしては、ほかに鶏頭山からの縦走コースや門馬コースがあります。

早池峰グリーンボランティアの会では、薬師岳南面含め普段歩く機会が少ない登山コースも歩いて、

現況を把握するようにしており、今年は、4年ぶりに北面にある門馬コースを歩いてきました。

ただし、門馬コースは小田越コースと比べて、距離、標高差が倍近くあり、時間がかかる上、

森林帯の中はコケの着生も多いので、滑りやすいという難点があります。


そこで、今回は門馬コースを登って、山頂から小田越コースを下り、

小田越から門馬登山口までは、他の会員の協力により、車で回送してもらいました。


 
門馬登山口

握沢沿いの復旧した橋
 
門馬コース5合目
 
門馬コース7合目付近


登山口からしばらくは、握沢沿いのやや平坦な道ですが、沢や急斜面を横切る箇所もあり、

10数箇所に鋼製の橋が架けられています。うち2橋が斜面崩落で損傷し、

1橋は昨年県により復旧され、1橋は迂回路が設置されています。

5合目(垢離取場)で握沢と離れてからは、急斜面の登りですが、

8合目付近までは
ヒバ(ヒノキアスナロ)コメツガの鬱蒼とした林の中で、

奥深い自然が感じられます。倒木が多く発生していましたが、

地元の保護管理員さんや山岳会員により処理済みで、歩くのには全く支障ありませんでした。

8合目から上部は灌木帯となって、所々では視界も得られました。9合目の水場は僅かに水が出ている程度でした。

登山道沿いの花は少なめですが、
カニコウモリウメバチソウ、ミヤマダイモンジソウが多く見られました。

門馬コースの登山者は少なく、我々(7名)のほかには3名のみでした。

(小田越コースは100名を越える登山者。)



 
門馬コース9合目付近
 
門馬コース9合目上部から臨む山頂
 
多数咲くカニコウモリ (7〜8合目間)
 
ミヤマダイモンジソウ (9合目付近)



小田越コースの花は終盤で、開花している花は少なくなっていますが、ナンブトラノオの花穗はさらに増え、

1合目から2合目間では、一面に咲く
ナンブトウチソウが見られました。
僅かながら
ナガバキタアザミ、タカネナデシコ、ホソバツメクサ、キンロバイの花も残っていました。

昨年、シカの食害、踏害に遭ってしまった山頂直下の高茎の花畑では、今年も同様の被害が目立ってきました。

シカ防護柵設置の試行が始まっていますが、貴重な高山植物を

シカの被害から守る取り組みがすすむことに期待です。





山頂直下の東斜面
 
シカ被害が目立ってきた 山頂直下の高茎花畑
 
まだ綺麗なナンブトウウチソウ

一面に咲くナンブトウウチソウ



早池峰山TOPへ戻る