きっかけは大好きな宮沢賢治の童話。
移住ツアーでの体験を機に憧れの岩手へ

ホテルみどりの郷 農園部 部長代理
葛西成美さん
〈東京都出身/2019年に移住〉

東京都出身。柔道整復師として働いていたが、宮沢賢治の作品世界に共感し岩手への興味を深め、県の移住ツアーを経て金ケ崎町に移住。
いちご園管理に従事。

大好きだった宮沢賢治の童話が
岩手への移住の扉を開いてくれた

 「賢さんのふるさとに行ってみようかな…」。東京で生まれ育った葛西成美さんと岩手県を結びつけるきっかけは、2016年、街中で偶然見かけた宮沢賢治生誕120年記念を紹介したポスターでした。
もともと、子どもの頃から賢治の作品に親しんできたという葛西さん。小学4年生のときにはお小遣いで童話「セロ弾きのゴーシュ」を買い、図工の時間には粘土細工で「猫の事務所」の一場面をつくり先生に驚かれたこともあると言います。「星や動物が好きだったし、賢さんの描く世界や登場人物に自分の気持ちが重なる部分があった。そんな記憶が、ポスターを見た瞬間に蘇ってきたんです」。
 その年の11月には一人で花巻を訪問、「賢さんめぐり」と称し宮沢賢治記念館や童話村などを訪れました。二泊三日と短い滞在ながら、穏やかな風景や星空の美しさにすっかり魅了された葛西さん。岩手への思いを募らせるも、誰一人知り合いのいない場所への移住はハードルが高いものでした。
転機は2018年10月。インターネットで知った岩手県主催の移住体験ツアーに参加し、先輩移住者から直接話を聞いたことで夢は一気に現実味を帯びました。以降は、なんと月に1回のペースで岩手県を訪問。ただの観光ではなく、雪道運転体験など移住ツアーのユニークなイベントへ積極的に参加して人脈も一気に広がったといいます。そして翌年6月、県の求人サイトで見つけたのが金ケ崎町の「ホテルみどりの郷」が2年前に立ち上げた観光いちご園での管理業務。「未経験可」に思い切って応募、見学を経て3ヶ月後には就職を決めて岩手へ移住したのです。そのバイタリティーと行動力にびっくり。
「不安より、好きな岩手で好きになれそうな仕事に就ける期待が大きかった」と葛西さんはいいます。

移住ツアーで夢が一気に現実に
情熱を傾けられる仕事にも出会う

 通常、いちごの摘み取りシーズンは冬から春にかけて。10月に岩手にやって来た葛西さんの仕事は、翌年に向けた苗の定植から始まりました。同園では「紅ほっぺ」や珍しい白いちごの「エンジェルエイト」など6種類・約8500本ものいちごを栽培、「株によって生育状況も違うし、最初は試行錯誤の連続でした」と葛西さんは振り返ります。それだけに、生育状況を見守る眼差しはまるでお母さん。「少しずつ赤くなってきているのが嬉しくて、毎日、いちごに『おはよう』って声をかけています」と笑います。同園の摘み取り体験は1月下旬からで、葛西さんにはお客さんへの対応も任されています。
 初めての岩手暮らしに加え、初めての農作業。しかし葛西さんは「今までで一番楽しい」と笑顔も全開。農業という仕事の面白さはもちろんのこと、日々の暮らしぶりにもそれはあらわれています。
「体を動かすのが好きなのでスポーツジムへも行くし、山登りに出かけることも。あと県央エリアの産直めぐりも楽しんでいます。くるみ餅、味噌焼きおにぎり、ばっけ味噌…岩手の食べものも大好き」。
そんなアクティブな暮らしを支えてきたのは手厚いサポート体制。「移住前には就職に関するアドバイスをしてもらったし、地域によって家賃補助も受けられます」と葛西さんも言います。今後は「移住支援金」も申請する予定で、車の維持費に充てたいと考えているそうです。
「私にとって、岩手は心引かれる風景の宝庫。こんなに魅了されるのはきっと私、前世は岩手に住んでいたと思うんです。これからもあちこちに出かけて、心引かれる岩手を探してみたいですね」。
賢治の作品世界に導かれ、いまも自分の心に響く岩手を探し続けている葛西さんです。

Q and A

Q1岩手での暮らしについて色々教えて!

いいところは目に映る景色がとても美しく、自然が身近にあるところ。産直に行けば新鮮で美味しい野菜が手に入るし、何しろ食べものが美味しいです。ちょっと大変だなと思ったのは車がないと生活しにくいところ。私みたいにあちこち行く場合はガソリン代がかかりますし、冬場の灯油代など光熱費もそれなりにかかりますね。

Q2移住について、家族の反応は?

父は最初こそ「なんでそんな遠くに行くの?」という反応でした。母は「やりたいことがあるのなら挑戦してきなさい」と送り出してくれたし、兄も地方移住に興味があるみたいで、私の岩手生活に興味を持ってくれています。妹も「遊びにいかせてね」と話しています。家族の理解があるのも大きな支えですね。

Q3地方で暮らしてみたいけど、仕事が不安です。

まずは思い切ること。生活の基盤となる仕事探しには「いわて暮らしサポートセンター(ふるさと回帰支援センター内) 」のキャリア・カウンセラーが頼もしい存在になると思います。私の場合は、農業という未経験の仕事でも「楽しめる」という自信がありました。もちろん苦労もあったけど、結果として今はすごく楽しいですし。行動しないことには何も始まらないと思います。

「移住支援金」https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/1021252/1019670.html

「ふるさと回帰支援センター」https://www.furusatokaiki.net/consultation/iwate/

わたしの IWATE LIFE

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