久慈市へIターン
わたしの IWATE LIFE

ナインオクロック株式会社 代表
香取正博かとりまさひろさん
〈千葉県出身 / 2016年に移住〉

移住は目的ではなく手段のひとつ、
MADE IN KUJIで流通を変えていく。

ベストな仕事環境を求めて
縫製のまちにブランドを興す

 「久慈(くじ)=9時」にちなんで「9o’clock(ナインオクロック)」と名付けられたアパレルブランドが、2016年6月、久慈市に誕生しました。オーナーは、東京からIターンした千葉県出身の香取正博さん。MADE IN KUJIの地域ブランドとして、多方面から注目を集めています。
 美容師だった香取さんは、東京都内で2店舗の美容室を経営していましたが、デフレの影響もあって2015年に店舗を売却。新たな可能性を求め、流通の仕組みに興味があったアパレル業界に足を踏み入れました。

Tシャツの製造を依頼している株式会社アクティブの大柳良克工場長と打ち合わせ。香取さんの夢を応援してくれる心強い味方です。

 「国産のものづくりを模索している時に偶然知ったのが、縫製のまち・久慈市。国内有数の縫製工場の集積地であり、高い技術力を持っていました」。地域のポテンシャルの高さに可能性を感じた香取さんは、2016年4月、仕事環境を整えるため久慈市へ移住。地元の縫製工場に製造を依頼し、インターネット上で中価格帯のシンプルなTシャツの販売を始めました。
 「上質かつ手頃な値段で買える、無地の国産Tシャツはあまりない。だからこそ勝算があると見込んでいます。久慈は縁もゆかりもない土地ですが、ブランドの話をすると応援してくれる人が多く、じわじわと広がっている感触があります」。移住は最終目的ではなく、ビジネスでの成功を勝ち取るための一つのステップ。香取さんはそう言い切ります。

「9o’clock」を取り扱っている盛岡市の333【trio】で。取扱店の拡大が近々の目標です。

久慈から洋服の地産地消を進め
国産のものづくりを底上げする

 ブランドを立ち上げる際に香取さんが描いていたのは、東京で火をつけ岩手に逆輸入するという展開でした。ところが、注目してくれたのはむしろ地方メディア。移住そのものがニュースであり、久慈発のブランドはいくつもの地元新聞に取り上げられました。
 「東京だったら埋もれてしまうけど、岩手は違う。地域の狭さがいい意味で味方をしてくれました」という香取さんは、事業戦略を変更。まず、岩手県内で愛されるブランドに育て、そこから全国展開を狙っていこうと考えています。

手触りの良い「9o’cl ock」の無地Tシャツ。ロングTシャツも販売しています。

 「私がやりたいのはアパレルではなく、流通そのものを変えること。地域の技術で高品質なものを作り、それを地域に循環させる、洋服の“地産地消”です。この久慈から国産のものづくりを底上げしていけば、その価値を認める人が増え、やがて全国に広がっていくはずです」。今はTシャツだけですが、徐々に商品ラインアップを増やし、実際に商品を手にできる取扱店を県内全市町村に広げていくのが目標といいます。
 「誰もが必要とする“衣”を岩手から豊かにしていきたい。久慈に本社を置き、東京と千葉の3拠点で仕事ができたら最高ですね」。ビジネスの場として移住を選択する香取さんのようなスタイルが、今後広がっていくかもしれません。

Q&A

Q1久慈での暮らしはどうですか?

魚介類が好きなので、安く買えるのはうれしいです。地元の人は「おしょす」(※)な人が多いですが、ナインオクロックの話をすると、親身に相談にのってくれたり、応援してくれますね。
(※岩手の方言で「恥ずかしがり屋」の意。)

Q2ストレスの発散法は?

愛犬のチワプー、ボー太郎と近所を散歩すること。寂しい一人暮らしなので癒されますね。他に好きな音楽を聞いたりお酒を飲んだり、自由に時間を過ごしています。

Q3移住希望者へのアドバイスを!

東北新幹線のはやぶさなら、東京⇔盛岡は2時間ちょっと。あまり気負わずに、勢いで移住しちゃってもいいのでは?私の場合は、東京から埼玉に移住する感覚でした(笑)。

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