葛巻町へIターン
わたしの IWATE LIFE

英語講師
新妻浩三にいづまこうぞうさん
〈福島県出身 / 2014年に移住〉

ここにあるのは大自然と人とのつながり、
少し不便なぐらいがちょうどいい

定年後は田舎で暮らしたい。
海の男が描いた「第二の人生」

 福島県いわき市、農業を営む大家族のもとで育った新妻浩三さん。「物心ついた時から家の仕事は何でもしていました。大変だったけど楽しかった」と振り返ります。そんな自立心あふれる新妻青年は国立富山商船高等専門学校航海科に進学し、21歳で航海士として海の世界へ。仕事をしながら英語の勉強を続け、英語の通訳案内士の国家試験合格後は神奈川県横浜市の米国海軍極東海上輸送司令部に勤務。海の知識と英語力という高度なスキルを生かし精力的に働いていました。

穏やかな山容、美しい川の流れ。この自然に魅了されました。

 まさに順風満帆の人生。しかし「定年後は田舎に住むと決めていた」と新妻さん。東北の自然の中で育った身にとって、騒々しく隣人の顔も見えない都会は何年暮らしても馴染めなかったといいます。「横浜の家は駅まで5分、高速道入口まで3分。でも便利って不快さとセットなんですよ。美しい景色と静けさの中で暮らしたかったら、少しぐらい不便な方がいい」。
 50歳から移住先の情報収集をスタート、義弟が仕事をしていた久慈市山形町(くじしやまがたちょう)への訪問をきっかけに、葛巻町(くずまきまち)へ何度も足を運ぶように。「最後に訪れたのは秋。晴天の下で赤く色づいた山を見て、ここしかない!と直感しました」。運命の出会いを彩ったその山は今、新妻家のリビングの真正面に開けています。

家に隣接した畑で、新妻さんが育てている山ぶどう。葛巻町では特産品として、やまぶどうジュースやワインが作られている。

自分から外に出ていくこと。
交流はそこから生まれる

 理想の地に立つ新居は瀟洒(しょうしゃ)な平屋。真冬でも薪ストーブ1台で快適な住まいは、葛巻の気候を熟知した地元工務店が建てました。移住して1年と少しですが、既に近所には新妻さんいわく「野菜づくりの師匠」「釣り名人」「飲んべえ仲間」もいっぱいです。
 「大事なのは自分から興味を持って近づいていくこと。挨拶がてら『何作っているんですか』と聞けば色々教えてくれるし、野菜をほめると家の前にその野菜が置かれてたり(笑)。近所のおばあちゃんや釣り好きな高校生など、僕は誰でも先生にしちゃいます」。移住前には専門機関で有機農業の勉強もした新妻さんですが、地域の人々との交流で得られる生きた知識、人とのつながりこそかけがえないもののようです。

手塩にかけた野菜が成長していく姿を見るのも、田舎暮らしの楽しみ。採れたての新鮮な野菜は、なによりのご馳走だ。

 そんな新妻さんが情熱を傾けているのが英語教育。自宅や公民館で教室を開催、小学生や大学受験を控えた高校生も通っています。「英語教室は横浜でも行っていましたが、葛巻の子どもたちは素直だし、本当に英語の勉強をしたい子だけがやってきます。そういう子には思いっきり教えてあげたい」。メキメキと英語力を上げていく子どもたちの成長を見守ることも、新妻さんの楽しみの一つになっています。

釣果の冷蔵イワナやヤマメは友人との酒の供に。

薪ストーブの前、外を眺めながらのコーヒータイム。

Q&A

Q1土地探しで重視したことは?

釣りが好きなので地勢や川の流れも見ましたが、ここを選んだ理由は地域社会がしっかりしていたこと。共同作業への参加率の高さなど、自分たちの町を自分たちで守っているここなら大丈夫だと思いましたね。

Q2岩手の魅力は?

人が少ないこと。横浜市は人口400万人、岩手は県全体でも200万人いませんよね。隣人はもちろん地域の人の顔もわかるし、町長とも友人になれるような環境はすごい。

Q3移住希望者へのアドバイスを!

地域との繋がりは大事にすべき。単なる挨拶ではなく具体的に話すことで距離も縮まっていきます。こういう人間関係を作れない人は、田舎でも都会でも暮らせません。

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