遠野市へU・Iターン
わたしの IWATE LIFE

風土農園ふうどのうえん

伊勢崎克彦いせざきかつひこさん
〈遠野市出身 / 2000年に帰郷〉

 
伊勢崎まゆみさん
〈神奈川県出身 / 2006年に移住〉

人と自然と地域をつなぎながら
遠野の豊かさを内と外に伝えていく

遠野で出会った2人が始めたのは
農業を自分の手で変えていくこと

 風の人であるまゆみさんと、土の人である克彦さんが営む「風土農園」は、のどかな里山風景が広がる遠野市(とおのし)の綾織(あやおり)地区にあります。2人が出会ったのは、2年前。まゆみさんが遠野に移住した友人を訪ねて、この地に降り立ったのが始まりでした。
 それまで東京の代官山で洋服づくりに携わり、華やかな世界にいたまゆみさん。初めて訪れた遠野で、克彦さんに乗せてもらったパラグライダーから眺めた風景に感動。「青い絨毯(じゅうたん)の上を飛んでいるような気持ちになりました」と振り返ります。東京に戻っても遠野への思いが募り、やがて月の半分は東京でデザインの仕事、半分は遠野で畑仕事、という暮らしをするようになりました。

伊勢崎さんが暮らす綾織地区は、四季折々の自然が美しい里山。ここで自然栽培の米や野菜づくりに取り組んでいます。

 一方、克彦さんは、綾織地区に代々続く農家の16代目。高校卒業後に3年ほど東京で暮らしていましたが、父親の病気をきっかけにUターン。実家の農家を手伝いながら様々な仕事に携わる中で、今の農業のあり方に疑問を持ち、「次の世代に美しい自然を受け継いでいくにはどうすればいいのか」と考えるように…。
 そして2人は結婚し、遠野で新生活をスタート。かねてから考えていた理想の農業を実現するために、自然栽培で米や野菜を育てる「風土農園」を立ち上げたのでした。

伊勢崎家の愛馬「テラ」。馬耕や馬搬の際も、大事なパートナーとして活躍。

人と自然が循環する営みの風景を
故郷の未来につないでいきたい

 自然栽培を始めた当初、理解を示す人は少なかったといいます。「正しい道だと信じているのでぶれることはありません。でも自分の農地だけでなく、地域全体が変わらないと意味がないんです」と話す克彦さんが描いているのは、循環する里山の暮らし。田畑は水に、水は山につながるように、人も自然も地域も連鎖(れんさ)の中で生かされている。それを自覚し、みんなで取り組んでいかなければ、この地域を未来に残していくことはできないと感じています。

克彦さんの描く「循環する里山の暮らし」。この絵に夢が詰まっています。

 一方、まゆみさんは「見るもの触れるものすべてが新鮮で、夢中で暮らしてきた9年間。近頃は、ここで得たものを内と外につないでいくことを考えるようになりました」と、話します。暮らしに根付いた知恵や食文化、伝統芸能。風の人だからわかる遠野の豊かさを、地域の人にも外の人にも伝えていきたい。そんな風に考えています。
 いま2人には、新しい夢があります。それは築70年の古民家(こみんか)をゲストハウスにし、地域の拠点をつくること。「馬と寄り添う遠野の暮らしを、肌で感じてもらいたい。訪れる人が気づきを得たり、その様子を見た地域の人が意識を変えるきっかけになればうれしいです」。

自然栽培で育てた稲は、はせ掛けで乾燥させ脱穀してワラになる。これを馬のエサとして活用している。

昔懐かしいたたずまいを見せる克彦さんの実家。母屋の隣りには厩舎があり、愛馬テラが暮らしている。

Q&A

Q1岩手に来て変わったことは?

ものの見方が変わりましたね。東京時代は、流行の先端にいることが豊かだと思っていたのですが、遠野に来てからは自然の美しさや丁寧な暮らしこそ豊かだと感じるように。(まゆみさん)

Q2どんなゲストハウスになりそう?

昔ながらの遠野暮らしを実感できる場所にしたい。自分で割った薪でご飯を炊いて、畑から野菜を採って料理する。ここでの体験を通して、農村の営みの風景を感じてほしいです。(克彦さん)

Q3移住する人へのアドバイスは?

自分から地域に飛び込んでいくことが大事。私は地元の神楽に参加して、関係づくりをしました。そのうちに地域の人がいろんな人を紹介してくれるようになりましたね。(まゆみさん)

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